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星河の覇皇
第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その二十二

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「向かえる筈がない」
「連合に対して」
「弱いものをいじめるよりもだ」
「強いものにですか」
「向かうことだ、アーサー王はそうだった」
 この時代のエウロパでも伝説的な人物とされている、もっとも王としてよりも騎士としての方でそうなっている面が強い。
「巨人に向かったな」
「そして倒しました」
「円卓の騎士も誰もがだな」
「弱いものをいじめることはしなかったと」
「それが騎士か」
 こう言うのだった。
「果たして」
「違います」
 校長も返事は一つしかなかった。
「それは」
「そうだな、だからだ」
「それで、ですか」
「いじめなぞ論外だ」
「エウロパの者として」
「それは絶対になくす、それが人間の性だとしても」
 人間は醜い一面もある、だから自分より弱いものをいたぶるそれもあるのだ。
「肯定していいものか」
「違います」
「そうだな、若しそこで肯定するなら」
 いじめ、それをというのだ。
「私は私の権限でだ」
「私をですか」
「君を解任していた」
 校長の職からというのだ。
「そうしてきた」
「そうですか」
「いじめを肯定する教育者なぞ論外だ」 
 その時点でというのだ。
「最早な」
「だからですか」
「その時は私は君を解任していた、そしてだ」
「他の教師もですか」
「同じだ、教育者にはそれに相応しい資質がある」
「それはいじめを許さない」
「それもその一つだ」
 教師に相応しい資質のというのだ。
「まさにな」
「だからですか」
「そうだ」
「解任していましたか」
「騎士になれとは言わないが」
 そのアーサー王や円卓の騎士達の様にというのだ。
「しかし醜い行いはだ」
「しないことですか」
「自分より弱いものをいたぶり虐げるよりは」
 それよりはというのだ。
「自分より強いものに向かう」
「その心を持つことですか」
「そしてだ」
「己を高めることもですか」
「することだ」
「そうしたことをする暇があれば」
「その時はな、ではこのことはな」
 フレッセルは校長にさらに話した。
「学校としてもな」
「これからもですね」
「目を光らせてくれ、そして教育でな」
「己を高め」
「強いものに勇気を持って向かう」
「そうなる様にするのですね」
「そうした者になる様にな」
 まさにというのだ。
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