第七百五十二話 苗字がない家その十一
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「胃潰瘍に糖尿病もね」
「糖尿病もあったの」
「甘いものお好きで」
酒は飲まなかったという話がある、ただアイスクリームやジャムが好きでわざわざ造るものまでもっていたという。
「それでね」
「そのうえでなの」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「糖尿病でもあったのよ」
「余計ややこしいわね」
「ええ、そうでしょ」
「鴎外さんは論外にしても」
ジョーはそれでもと言った。
「漱石さんは漱石さんでね」
「ややこしいわね」
「そうした人ね」
「私もそう思うわ」
「そうよね」
「若しお付き合いしたら」
その時はというのだ。
「大変よ」
「彼氏さんでも」
「徳に暴力のことでね」
「写真見たらね」
エイミーは実際に自分のスマートフォンに夏目漱石の画像を出して言った。
「全然ね」
「そうした人に見えないわね」
「ええ」
ジョーにまさにと答えた。
「全くね」
「そうよね。色々あるとは聞いてたけれど」
「そこまでなんてね」
「思わなかったわ」
「まさかね」
「しかし」
ジョーは考える顔で話した。
「文豪と言ってもね」
「色々な人いるわね」
「というか小説は凄くても」
作品の評価は高くともというのだ。
「人格はね」
「別よね」
「中には下半身に節操がない人もね」
「いるの」
「フランスの人だけれど」
ジョーはこう前置きしてあらたな話をした、そして四姉妹でその文豪の話にも驚くのだった。人の名前から文豪の話になっていることを自覚しつつ。
苗字がない家 完
2024・2・16
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