第七百五十二話 苗字がない家その十
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「それでヒステリー持ちで」
「すぐにカッとなって」
「鬱の気もあって」
「それで暴力もなのね」
「振るう人で」
そうであってとだ、メグも言った。
「そうしたこともね」
「してね」
「癇癪持ちだったのよね」
「被害妄想だったから」
「若い頃からね」
「そうだったの」
「また言うけれど色々あった人で」
メグはさらに話した、夏目漱石についてはこの時代においても研究されている。特に日本でそうだがこの時代では連合全体でそうされている。
「実のご両親と思っていたのが違ったり」
「そうだったの」
「養子に出されていたの」
幼い頃そうであったのだ。
「そのことを知ってね」
「ショック受けたの」
「そうしたこともあって」
それでというのだ。
「お兄さん達が若死にだったけれど」
「そんなこともあったの」
「結核でね」
「ああ、結核ってね」
ジョーもそれはと応えた。
「当時は助からなかったわね」
「それでご自身もね」
漱石自身もというのだ。
「疑いがよ」
「かかっていたの」
「そうだったしね」
だからだというのだ。
「それでイギリス留学して」
「ああ、それ私も知ってるわ」
ジョーはそれはと返した。
「馬鹿にされてるとか思ってね」
「凄いコンプレックス持ってね」
そしてというのだ。
「鬱になったのよ」
「そうよね」
「そうしたこともあった」
「色々あった人ね」
「それで胃潰瘍もね」
「患っていて」
「尚更よ」
すぐ下の妹にさらに話した。
「難しい人だったのよ」
「だからDVもなのね」
「あったみたいね」
「そうなのね」
「DV、暴力は駄目よ」
メグはきっぱりとした顔と声で言い切った。
「絶対に。けれどこうした人はどうすべきか」
「入院させるべきね」
ジョーはすぐに答えた。
「もう」
「そうなるわね」
「ええ、被害妄想で鬱よね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
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