第四章
28.ロンダルキアの地下資源
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もしれません』って聞いてたからさ。注意して見てたよ」
棚に置いてあった握りこぶし大の石を、タクトがひょいと投げる。
「これがその石か?」
「そうそう。金がまざってる」
受け取った褐色の少女は、首をかしげた。彼女も普通の石にしか見えなかったようだ。
「ハゼリオ様の遺した研究資料に『ロンダルキアの地下には無限の可能性がある』と書かれていました。具体的には二つ指摘されていまして、一つは金銀や鉄などの資源。もう一つは大昔の遺産だそうです」
「大昔の遺産?」
「たとえばキラーマシンだよね。ちゃんと掘って探せばとんでもない数が埋まってるはずだよ。半埋まりのやつだけでも、もう何十体もロンダルキアで見つけてるから」
「へえ。いつのまにかいっぱいいるのは、お前が掘り起こしていたのか」
「もっと強いのが埋まってても驚かないよ? キラーマシン2とか3とか4とか」
「そんなのあんのか?」
「さあ?」
「お前適当なこと言うなよ……期待しちまったじゃないか」
「どこに何が埋まっているのかは本当にわからないからね。このロンダルキアで地面をくまなく深く掘って調べるというのも非現実的だし、悪魔神官もなかなか調査を進められなかったみたい」
キラーマシンって対人を前提に設計されたやつだから、発掘作業に使うには不向きなんだよなあ――とタクトはぼやく。
「というかこの石、ここからどうやって金を取り出すんだよ」
「鉱石から取り出す方法はタクトさんがご存知なので、このあとすぐ試験的にやっていただく予定です」
「うん。いちおう知識としてはあるんで。乞うご期待」
「また出たよ……なぜか謎に持ってる知識。どんどん胡散臭さが増していくな、お前」
「ふふ。惚れた?」
少女が斧に手をかけたとき、新たな声がした。
「手紙を送るのはいいが、私が明確に反対したということは忘れず記録に残しておいてもらいたいな」
いつのまにか部屋の中にいたのは、元ベラヌール支部所属だった祈祷師の青年・ケイラスである。
金髪と、眉間にシワが寄り気味のせいでややきつい印象の美貌。仮面を外しているためにあらわとなっていた。
「ケイラスさんは反対でしたよね。せっかく私たちに合流してくださったのに、いきなりご意向に添えないことになってしまってすみません」
「君は先の戦でロトの子孫に勝ち、教団再建を世界に知らしめたのではないのか? ならば守りに入るのではなく、勢いに乗じて今こそ攻勢に出ることが自然だろう。ロトの子孫三国へ対しては、手紙でも金品でもなく、魔物を送りつけるべきだ」
つまり、勝ったのであれば今度はこちらから攻め込むべき。彼はそのような主張なのである。
もちろんフォルにとっては首肯しかねる意見であった。
「いや、さすがにそうい
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