八十四 四代目の子
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達からの情報で里内部の現状を把握する。
九尾化の引き金を引いたのは誰なのか知って、やはりな、とナルトは内心頷いた。
初めて会った時から予感していた人物だ。だからこそ眼を掛けてきた。
思惑通り動いてくれた彼には感謝するが、利用するだけ利用して捨てるほどナルトは鬼ではない。
遠く離れた場からだが、できるかぎりの力は尽くす。
木ノ葉の里から漂う剣呑な空気と九尾のチャクラを感じ取って、ナルトは重い口を開いた。
「気は進まないが仕方がない。会うとするか」
嫌な予感がする。
五代目火影に命じられて、里の怪我人の治療に駆けずり回っていたヒナタといのは、ハッ、と顔を上げた。
同時に、足元の地面の砂粒が震えだした。
いや、実際に地面が揺れている。
地響きで身体を強張らせたいのは、素早く視線を奔らせた。
里の中心。
そこには修行して帰ってきたナルが、木ノ葉の里をこんなにした主犯と戦っていると綱手から聞いた。
助太刀したくとも、逆に足手纏いになると一蹴され、泣く泣く綱手の言う通り、医療知識と技術を活かして里人をひとりでも多く助けようとしていた矢先の、嫌な地震。
その発信源が里の中心であることは明白だ。
ならばナルの身に何かあったのでは。
すぐにそこに思い当って、いのは眼を凝らして、遠く離れた里中央へ視線を投げる。
空気が震え、鳥達が里から逃げるように飛び立っていくのが視界の端に見えた。
隣でヒナタが心許げな声で呟く。
「……ナルちゃん…」
ヒナタの不安はもっともだ。
だがいのは、次いでヒナタが発した言葉に眼を見張った。
「し、シカマルくんが…」
遠くを見渡せる【白眼】を発動させているヒナタの視線の先を追う。
そこにはうつ伏せになっている昔からのいのの幼馴染が倒れていた。
「…ッ!?シカマル!?」
慌てて駆け寄ろうとするものの、里中央の戦闘の余波なのか、凄まじい風が吹いてきて近寄れない。
歯噛みするいのの隣で、険しい表情で【白眼】を発動させているヒナタが、ぽつぽつと戸惑いながらも言葉を紡いだ。
「な…ナルちゃんもペインも、里から離れていってる…」
「ど、どういうこと…?」
「な、ナルちゃんに圧されてペインが逃げてる?みたい…」
ヒナタの証言に、いのとヒナタの護衛役だったガマ吉が「ざまぁないのう!」と大声で笑う。
「笑ってる場合じゃない!今のうちにシカマルの身柄を確保しなきゃ…!」
医療忍者の頂点とも言える五代目火影の姿は何故か見えない。
ならば、今、自分達にできることをしなければ…。
ヒナタの言う通り、ナルの姿もペ
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