暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第203話:天空は墜とさせない
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と颯人からの視線に関しては気付く事が出来た。彼の声援が耳に入った気がして、チラリとそちらを見ればそこには愛する彼とその周りにいる仲間達の姿が見える。
「フフッ……♪」
折角気付けたのならと、奏はちょっとしたサービスで颯人の方にウィンクした。勿論それに彼が気付けたかは分からないが、不思議と届いたと言う確信があった。
――翼……――
――うん?――
そしてパフォーマンスを続けながら、奏はアイコンタクトで翼に合図を送る。長く連れ添った2人、それもただのアイドルとしてだけではなく共に戦うパートナーとしての連携を培った2人にとって、言葉もなく簡単な意思を交わす程度の事は朝飯前だ。
奏からのアイコンタクトに翼がそちらを見ると、彼女も仲間達の存在に気付いた。自分の歌をこれでもかと楽しそうに聞いてくれている皆の存在に、翼は剣としての在り方をこの時は心から忘れて1人の歌姫として在れている事を実感した。
――嗚呼……やはり私は、歌が好きだ……!――
心を満たす温かさに、翼は振り付けの最中にさり気無く仲間達に向け手を振って答えた。
「あっ! 今翼さん手を振りましたよッ!」
「もしかして、こっちに気付いたのかな?」
「奏が教えたんだろ」
「カナデは何かしてたか?」
「してたさ。しっかりとな」
遠目からだが、颯人は奏が自分に気付いてウィンクしてくれていた事とその後に翼にアイコンタクトをしていた事にしっかり気付いていた。この大舞台の最中に、自分に対してはしっかりと特別なパフォーマンスを見せてくれる彼女の可愛らしさに颯人は嬉しそうに鼻の頭をかいた。
そこで、楽曲が終わると小さなイントロをBGMに2人がマイクを通して観客に語り掛けた。
『さぁ! まだまだこれからだ!』
『ここからはスペシャルゲストと共に行くぞッ!』
「ゲスト?」
予想外のゲストと言う言葉。この日のライブは彼女達の凱旋コンサートと言う事で、他のアーティストはいなかった筈だ。にも拘らず、2人は新たに誰かが来ると言う。
その言葉に響達は他の観客同様顔を見合わせるが、この場に誰が居ないかに気付いた瞬間まさかと顔を上げる。
「……えッ? もしかして?」
「そのまさかだな。ほれ、上を見な」
颯人が指さす先には、舞台の上の装飾に隠された電光掲示板に『Zwei Wing』『and Maria』の文字が表示された。
突如空中に表示されたマリアの名前に、観客達も期待を胸にざわつき始める。そして次の瞬間、その期待は現実となった。
舞台の仕掛けから飛び出してきたのは新たな歌姫マリア。空中を舞う様に奏と翼の間に降り立った彼女の姿に、会場は更に大きく沸き立った。無理もない。ツヴァイウィングとマリアの3人は、今や世界中
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