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第四十話 領主の実力
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を使いながら戦ってみ?」

ルシフェルが口を開きながら横を指差す。その方向に目を向けると、先ほどのMobが再び現れた。今度は突っ込むことはせず、魔法の詠唱を始めるソレイユ。放たれた魔法はまっすぐにMobに向かっていくがあっさり躱される。

「距離がありすぎる上に追尾機能も何もないただの単発魔法だからな・・・避けられて当然だ」

ただ放てばいいわけではない、というルシフェルにソレイユは少し迷った末、結局突進していった。それを見たMobは当然のごとく口を開いて攻撃を仕掛けていく。放たれた風の塊にソレイユは飛びながら高速で詠唱し、先ほどと同様の魔法を風の塊めがけて繰り出す。上手く命中し、風の塊と闇の単発魔法は相殺し合う。その隙にソレイユはMobへと急接近するが、刀は振るうことなく、魔法の詠唱を始めた。何度も放たれる風の塊を避けながら詠唱し終えると、Mobの攻撃から身を逸らし置いてくるように魔法を放つ。それを避けること叶わず、Mobはソレイユの魔法攻撃を喰らってしまう。その隙に刀を振るいMobを蹴散らす。

「・・・もう教えることなくね?」

その戦闘を見ていたルシフェルはそう呟く。現にソレイユの今の闘い方は教えてできるようになるものではない。大体、今のALOプレイヤーの大半は止まって詠唱をするか、飛行中に詠唱するかのどちらかである。Mobとはいえ、近接戦闘中に魔法詠唱など常人はしない。なぜなら、「動きながら魔法を詠唱する」というのはひどく難易度が高い荒業だったりするからだ。『システムが認識できるよう、一定以上の声量と明確な発音を必要とし、もし途中でスペルを間違えれば失敗(ファンブル)となりまた初めから詠唱しなければならない』というのがALOの魔法の大前提となる。
そのため、確実に呼吸が乱れる近接戦闘戦中に行うのはリスクが高すぎるのだ。だから、誰もやらないしやろうともしない。

「つか、あいつホントに何者だ?末恐ろしいにもほどがあるぞ・・・」

一体また一体と屠っていくソレイユ。その姿に戦慄と畏怖の念を感じるルシフェル。
そんなこんなですべてのMobを屠ったソレイユであるが、その眼光は鋭いままであった。そのことに首を傾げるルシフェルだが、次に聞こえてきた声でその疑問は解消されるのと同時に面倒事が増えたとため息をつくことになる。

「これはこれは、インプ領主のルシフェル殿ではありませんか。こんなところで会うとは奇遇ですなぁ」

笑顔を浮かべながらお供らしき八人を引き連れて現れたのはウンディーネのプレイヤーだった。明らかに作られた笑顔でやたらと嫌味を込められて発せられた言葉にルシフェルは嫌な表情を隠そうともしない。ソレイユはどうしていいのか分からず、とりあえずルシフェルのもとに飛んでいく。

「誰だ、あの嫌味ったらしは?」

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