フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第三十九話 領主の手ほどき
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◆
ランディングを問題なく済ませ、領地に入って二人を最初に出迎えたのは、巨大な火の玉だった。インプ領でインプを殺すことはできないのだが、人としての原始的な恐怖心に従いソレイユとルシフェルは慌ててその火の玉を避ける。
「こんの、大馬鹿野郎がぁぁぁぁぁぁっ!!!!???!?!?」
次いで飛んできたのは女性の者と思しき怒鳴り声と高速で飛来する拳だった。ルシフェルは飛来するそれをどうにかすることができず、なすすべなく喰らってしまう。
「ぐはっ!?」
一応インプであるためダメージを喰らうことはないが、ノックバックぐらいは発生するらしく盛大に吹き飛んだ。それを見たソレイユはたった一言呟いた。
「どんだけの威力があるんだよ・・・」
背筋に冷たいものが走る。あれを喰らったルシフェルには心の中で黙祷を捧げることも忘れない。
「まったく、お前は領主という立場をわかっているのか!!というか、自覚しているのか!?」
「い、いや、あの、その・・・俺もこのゲームの一プレイヤーなわけで、だから、その、な、わ、解るだろ?」
仁王立ちする女性に正座しながら言い訳を述べるルシフェル。それを見ている周りのプレイヤーたちは、またかというような表情だったが一秒後には何事もなかったかのように二人を無視している。それを見てソレイユが思ったことはただ一つだった。
「名物か何かなのか?」
―――それから三十分後
あらかたの説教が終わったらしくルシフェルは立ち上がり説教していた女性は改めてソレイユに向きなおった。
「さて・・・見苦しいところを見せてすまないな。あたしはレヴィア。よろしくな」
「ソレイユです。こちらこそよろしくお願いします」
無難に自己紹介を終えると、レヴィアと名乗った女性はルシフェルを引きずって領主館がある方向へと歩いていく。ルシフェルがソレイユを巻き込もうとしたが、当のソレイユは今日はもうログアウトする旨を伝えたためルシフェルの無駄な抵抗は呆気なく散った。それからは、適当な宿に入るとあてがわれた部屋のベッドに寝転がりログアウトするためにメニューウインドウをいじる。
「できる、よな?」
宿の部屋には一人しかいないのでその問いに答える者はいない。恐る恐るログアウトボタンを押すと、二年前と違い正常にログアウトできるらしく確認メッセージが表示される。それに安堵し、OKボタンを押すと徐々に視界がブラックアウトしていく。こうして、ソレイユのALO一日目は終了した。
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