フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第三十九話 領主の手ほどき
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た。
「魔法は正確に、速く唱えることでその有用性が増すから早口言葉の感覚で詠唱してみるといいかもな」
「了解、と。あとは・・・コントローラーを使わないで飛ぶ方法ってのを教わりたいんだが・・・?」
「それはいいが・・・飛行の感覚はつかめてるか?」
ルシフェルの言葉にソレイユは頷く。するとルシフェルはソレイユの背後に回ると肩甲骨の少し上の部分に手を置く。
「今触れてる部分はわかるな?」
「ああ、肩甲骨あたりだろ?」
「ああ、そうだ。コントローラーを使わないで飛ぶ方法・・・随意飛行と呼ぶものだが実際はイメージ力だけで飛ぶものじゃない。今触っているところから仮想の筋肉が伸びていると想定して、それを動かして飛ぶ」
「え、えっと・・・こう・・・」
恐る恐る肩甲骨あたりに力を入れてみると、羽がぴくぴくと反応している。
「いい感じだ。それをもっと強くやってみろ」
ルシフェルの言葉を受け、ソレイユが思いっきり力を入れていくと翅が急にピッチを上げて振動を始めた。それを見たルシフェルは軽くソレイユの背中を押した。
「ほらよっと」
「へっ・・・ちょ、おま、ま・・・う、うわあああっ」
いきなり別方向から力が加えられたため、溜めてた推進力も相まってソレイユは随意飛行に成功するも、力の制御の仕方がわからず目の前にあった岩へと顔面から突っ込んでしまう。
ズドンッ・・・ずるずるずる・・・べちっ・・・
やけに大きな音が鳴り響いた後、ソレイユはそのまま地面へと突っ伏しながらぴくぴくと体が痙攣していた。そこにルシフェルが苦笑いをしながら歩いてくる。
「おーい、大丈夫か?」
「・・・・・・一応」
頭を二度三度振るいながらのろのろと立ち上がるソレイユの瞳は恨めしげにルシフェルのことを睨んでいたが、当のルシフェルはあさっての方向を向きながらわざとらしく口笛を吹いていた。
「まぁ、あれだ。最初に痛い思いをしておいた方がいい。それが俺の教え方だ!」
「あっそ・・・まぁ、今ので大体つかめたよ」
「そうかい。それじゃ、いつまでもこんなところにいる必要はないんだし、さっさと領地へ帰るか」
そういって翅を展開すると、空中へ浮かび上がるルシフェル。それにならってソレイユも今まで教わったことを思い出しながら空中へと浮かび上がった。
「飲み込み早いな。それから、最後になるが大きく肩を動かしてると空中戦闘のときに色々困ることになっから、小さく動かすことを心がけろ。あと、旋回やターン、高速飛行なども覚える必要があるがそれは追々覚えればいいだろ」
それからルシフェルは教えられるだけのことをソレイユに教えながら領地へと飛んでいく。ソレイユもルシフェルに教わったことを反復しながら後を
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