第十九話 ハンデその六
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「北海道ではアイヌの人達が」
「差別されているの」
「そうしたこともあって学歴とかお仕事とか傷害もです」
「そうしたの何処でもあるわね」
「そうですね」
「それで日本でもなのね」
「とても残念なことですが」
先程以上に残念そうな顔になってだ、白華はアイルランドの娘に話した。
「あります」
「差別が」
「そうです」
「本当に残念ね」
「全くですね」
「ええ、ただ差別の度合いは」
アイルランドの娘は白華にこちらの話もした、実際に差別と一口に言ってもそのレベルというものが存在しているのだ。
「日本はあまりね」
「高くないですか」
「人間として差別していて」
差別を向けている人達に対してというのだ。
「法律は平等で結婚してもいいでしょ」
「差別している人達とですね」
「法律では認められていて」
そうであってというのだ。
「周りが強く反対して出来ないってことはあっても」
「偏見で、ですね」
「けれど法律ではでしょ」
「はい、アイヌの人達とも」
彼等とも、というのだ。
「明治の頃からです」
「結婚出来てるでしょ」
「被差別部落の人達とも」
「宗教も関係なくね」
「イギリスじゃ違ったのですね」
「そうよ、イングランド人とアイルランド人はね」
アイルランドの娘は忌々し気に話した。
「クロムウェルが定めたけれど」
「アイルランドを侵略した時に」
「アイルランド全体を滅茶苦茶に荒らしたうえでね」
そして虐殺も略奪もあった。
「アイルランド植民地法なんて定めて」
「それで、ですね」
「結婚もね」
「禁止したのですね」
「こうしたことあったから」
アイルランドではというのだ。
「それと比べたらね」
「日本の差別はですか」
「まだまだましよ、アメリカだってね」
この国にしてもというのだ。
「インディアンの人だと」
「普通に結婚出来ますね」
「いや、居留地に押し込められてるから」
そうした状況だからだというのだ。
「アメリカの社会自体から排除されてるから」
「結婚禁止よりもですか」
「酷いわよ、アイルランド系もイタリア系もアジア系もヒスパニックも差別されていても」
「アフリカ系の人達にしても」
「アメリカの社会の中でよ」
「差別されていて」
「アメリカ人の中で、だから」
そうした状況だからだというのだ。
「インディアンの人達よりはね」
「ずっとましですね」
「今も居留地あるしね」
アメリカにはだ。
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