フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第三十八話 妖精郷での出会い
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構えながら突っ込んでくる重装備サラマンダーAに突っ込みを入れるだけで、ソレイユはそこから動こうとはしない。先ほど、重装備サラマンダー三人を相手に立ちまわっていたインプ(生憎ソレイユはまだ彼の名前を知らない)がこちらに警告をしてくれたが、素直に従うソレイユではなかった。
「まぁ、これくらいなら余裕か」
突っ込んでくる突撃槍の側面に手の甲を当て、できるだけ最小限の力で軌道を変え、払い除ける。なすすべなく払われたサラマンダーは勢い余って山岳地帯の岩山へと突撃していった。土煙が上がる中、出てくる様子がないのを確認したソレイユは改めて上にいた連中へと目をやると、インプのプレイヤーが近くまで飛んできていた。
「大丈夫・・・そうだな・・・」
近くの岩場へと着地しながらこちらを見て安堵するその男性、ルシフェルにソレイユは笑顔で言った。
「さっきの戦闘見てたぜ。なかなかの腕前だな、あんた」
「そりゃどうも。つか、おれのことを知らないとなると、おまえ、新人か?」
「そうだけど・・・あんたは・・・?」
自分のことをあっさり見抜いたルシフェルにソレイユは驚いた表情をするが、次の言葉でその意味を理解した。
「俺はルシフェル。インプの領主をしている」
「おおう、まさか領主様とは、ね・・・初めまして、ソレイユだ。こんな容姿をしてるが男だ」
「あら、そうなの。それは残念」
とても残念そうには見えないルシフェル。場違いな自己紹介が終えたところで先ほど岩山に突撃していったサラマンダーAが復活してきた。BやCも降りてきて二人を挟み撃ちにする形をとった。
「な、なめやがって・・・っ!!」
「ずいぶんお怒りだが、どうしたんだ?」
「さぁな。きっとかまって貰えなくて拗ねてんだろ」
白々しく言うソレイユと同じように言うルシフェル。それにとうとう沸点が限界突破したのか憤怒の表情で重装備Aは突進しようとしたが、ルシフェルの魔法が炸裂し呆気なくHPをゼロにした。
「へぇ、それが魔法か・・・どう使うんだ?」
「それは、あいつら倒し終わったら教えてやるよ」
そういって後方を指すと、そこには呆気にとられる重装備サラマンダーBとCがいた。それを見たソレイユは仄かに笑うと余裕の表情で言った。
「そうか・・・なら、さっさと片付けよう」
「「な、なめんのも大概にしろっ!?」」
その言葉を聞いた今まで呆けていたサラマンダーたちは先ほどやられたA同様に憤怒の表情でソレイユに向かってランスを構え突っ込んでいく。それに対して、ソレイユは瞳を閉じ居合いの構えを取る。一息つき間合いを整える。そして、その整えた間合いの中にサラマンダーの二人が踏み入れた瞬間、鯉口を切った。
ピュッ・・・ピ
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