フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第三十八話 妖精郷での出会い
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熟練度が異常だった。
「えっと・・・一、十、百、千、万、十万、百万、千万、一億、十億・・・ん?」
眼をゴシゴシこすり、続いて眉間に指をやり、目を閉じて軽くもみほぐす。その姿はまるで仕事に疲れたサラリーマンのようであった。そして、もう一度ウインドウに眼をやると、先ほどと何も変わらない数字が目に飛び込んできた。
「・・・・・・五十六億六千二百三十二万七千八百九十一・・・ユルド?やべぇ、億万長者にも等しいじゃん、おれ」
あまりの桁違いの数字を聞いて思考がバグってしまうソレイユ。スキル熟練度を見てもあり得ない数字が並んでいる。武器スキルなんかほとんどマスター済みである。アイテム欄をのぞくとそこはひどい文字化けを起こしていた。初期設定でこの現象はいったい・・・と考えてるとき、そのステータスに見覚えがあった。
「これ、SAOのときのセーブデータか?・・・・・・可能性の一つとしては基盤は一緒か?確か、カーディナルっつたっけ・・・」
それならこの数値は納得のいくものだったが、なぜSAO時のセーブデータがここにあるのかという疑問が頭の中に浮かんだが、すぐに解消された。
「(これである程度確証は得られたか)まっ、ありがたく使わせてもらうとしよう・・・とりあえず、これだけあるなら先に装備でも揃えますか」
文字化けしたアイテムをすべて削除し、そういって武器屋などを探しに歩き出すソレイユ。インプ領は岩山の中にあるせいで太陽や月の光があまり入ってこない。そのため、領全体が暗い闇を纏っているが暗視がデフォでついているインプにとって領の暗さというのは苦になるものではなかった。数分歩くとある武器屋が目に留まったので、その武器屋に足を運んでいく。
「こんばんわ〜」
「おっ、いらっしゃい。これはまた別嬪さんが来たものんッスね!」
プレイヤーの店主らしき人に挨拶をしたところ、何か不穏な単語が聞こえたソレイユは固まった表情で店主に聞き返した。
「えっと・・・別嬪、さん・・・?」
「ん?あんさん、自分の顔見てないんッスか?・・・ほら・・・」
そういってわたされたのは手鏡であった。その鏡を覗き込むとアメジスト色の瞳に紫がかった黒の髪が見える。それはいい。そこまではいい。だが、この容姿を見て男だとわかるやつがはたしてこの世界にどれだけいるのだろうか。もういっそ、このままネカマでもしてやろうか、などと思い始めるソレイユ。
実際のソレイユの容姿は、アメジスト色の瞳にハネッ毛で腰までのびているダークパープルの髪をポニテにまとめている。顔は女顔、声はハスキーボイスと言った感じである。なぜ男性プレイヤーの容姿にこんな姿があるんだ、とGMに訴えたくなったソレイユ。まさか、ランダムに容姿が決まるゲームのなかまでこんな容姿になるとは思わ
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