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ヘレン=ケラーは何故素晴らしかったのか
第一章

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                ヘレン=ケラーは何故素晴らしかったのか
 ヘレン=ケラーの伝記を代わりばんこに読んでだった。
 小学二年の工藤良子と一つ下の妹の冴子、黒い奇麗な長い髪の毛と黒く切れ長の整った目と太い眉に小さな赤い唇を持つ姉妹は両親に言った。
「目が見えなくて耳が聞こえない」
「どんなのかしら」
「大体想像ついても」
「ちょっとわからないわね」
「いや、目が見えないことはわかるな」
 二人に父で水道局で働いている父の義也が言った、長身で太っていて優しい顔をしていて眼鏡をかけている。黒髪は少し減ってきている。
「それは」
「それはね」
「目を閉じたらね」
「そして耳を塞いだらね」
 母の百合も言った、娘達がそのまま大きくなった顔で小柄で胸はかなりのものだ。
「わかるでしょ」
「こうして?」
 娘達は共に目を閉じてだった。
 耳を両手で塞いだ、だが。
 暫くしてだ、目を開いて耳を塞ぐのを止めてこう言った。
「こんなの?」
「あまり辛いって感じない?」
「目が見えないと動けなくて」
「音が聞こえなくても」
「そんなに大変?」
「ヘレン=ケラーさんは」
「これが少しの間じゃないんだ」 
 父ははこう娘達に話した。
「ずっとだ、何ならそうした状態を暫くの間体験出来る場所があるんだ」
「そうなの」
「目が見えなくて耳が聞こえなくなる場所が」
「そこに行けばわかるよ」
「そうね、この娘達も傷害のこと知るべきだし」
 百合は夫の言葉に頷いて言った。
「それじゃあ今度の休みね」
「そこに行くか、遊園地にあるしな」
「遊園地行く?」
「行こう行こう」
 姉妹は遊園地と聞いて喜んだ、そして実際に次の休みの時に遊園地に行った。遊園地に行くと最初にだった。
 その場所に行った、すると二人は目隠しをされて耳もイヤホンで閉じられてだった。
 防音の密室に入れられた、そうして一時間程経って終わってから両親に尋ねられた。
「どうだった?」
「目が見えない耳が聞こえないってどうだったかしら」
「うん、何か凄く時間が長く感じて」
「動けても周りに何があるかわからないし」
 姉妹はそれでと話した。
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