第二章
[8]前話
「満足しているよ」
「そうなのね」
「うん、前は広島だったけれど」
「広島も楽しくて」
「福岡もね」
「今度は台湾考えてるけれど」
この国に旅行に行こうと、というのだ。
「その時もね」
「宜しくなのね」
「うん」
まさにというのだ。
「こうした旅行をね」
「台湾でも楽しむんだね」
「そうしましょう」
こう言うのだった、兎角だ。
怜奈は節約に節約を極めた旅行を楽しんでいった、登志夫もそれは同じだったが。
怜奈のその節約、旅行の時も発揮されるそれについてだ、登志夫も聞いた。今彼等は台湾にいて屋台で緬を食べつつ話した。
「いざという時に備えてでも貯金し過ぎじゃない?」
「いや、本当にいざという時にね」
まさにとだ、怜奈は登志夫に答えた。
「お金があるとね」
「困るから」
「実はうち一度父方のお祖母ちゃんが癌になって」
「あっ、手術費で」」
「幸いお金があって助かったってね」
「入院や手術が出来て」
「そうしたことがあったから」
だからだというのだ。
「私それを子供の時に見たから」
「いざという時になんだ」
「お金置いてるの」
「そうだったんだね」
「そう、それでね」
さらに言うのだった。
「これからもね」
「いざという時に備えて」
「旅行でもね」
趣味であり大好きなこれを楽しむ時もというのだ。
「出来る限りなのよ」
「それで貯金も趣味にしてるのね」
「お陰でお祖母ちゃん今も元気よ」
満面の笑顔で言った、そうして二人一緒に緬を食べた。その緬は安くそしてとても美味しいものだった。
ケチケチ旅行 完
2024・5・25
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