”激唱インフィニティ”
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「服従させる魔法」
そして、アウラの魔法が発動する。
魔力量の差によって天秤が傾き、優位に立った方が相手を支配する。
サーヴァントというカテゴリでは同じ響とアウラだが、それぞれの力の源に使われる魔力量___響の場合は、それはフォニックゲインと呼ばれるものに差し変わっている___には当然差がある。
体術を基軸とした響に比べ、アウラは魔力の比較、その一点のみへ集中している。たとえ身体スペックが同等だったとしても、魔力という分野に限ればアウラに軍配が上がる。増してや、アウラはそのために響と比べものにならないほどの魔力研鑽をつんでいる。
「ぐッ……!」
響が、アウラの魔力に太刀打ちできる道理はない。
「さあ、こっちに来なさい」
「行くな! 響!」
命令系統を完全に支配された今の響に、ビーストの声は届かない。
アウラの言葉に、響の体が震えながらアウラへ歩み寄っていく。
その目の前で完全に膝を折った響へ、アウラが短剣を抜き取った。
ウィザードをも苦しめたその剣。それが、光を放ったその瞬間。
「だああああああああああああッ!」
響の大声に、アウラの支配力が弱まる一瞬。
響の掌底が、アウラの腹を貫いた。
「がっ!」
吹き飛ぶアウラを守るように立ちはだかる、無数の遺体たち。
だが。
___Red zone ガン振りしてねじ込むコブシ___
響へ襲い掛かる一体一体の首なしの騎士たち。
それを響は、的確な格闘技で無力化していく。
___一片の曇りなき防人れる剣___
さらに続く死体たちの拳。
響は両手を地面に付け、両足を前後に広げる。そのままコマのように回転し、死体たちを一気に蹴散らす。
___ゼロ距離でも恐れなく踏み込めるのは___
さらに、両手をバネに再跳躍。
___背中を託して___
両手を引き寄せ、
___番える___
地面へ放つ。
___君を感じるから___
地面に走ったクレーターにより、残った全てのファントムたちがバランスを崩して倒れ込む。
「そんな……人間が……勇者でもない人間が……ッ!」
顔を大きく歪めるアウラ。
彼女を守るように、全ての死体がアウラの前に集まっていく。
だがそれは、より彼女の人形たちを一網打尽にしやすくなることを意味する。
「それはいくら何でも悪手だね」
無数の蝶。
それは、アウラの下僕を含めた参加者全員を爆発に巻き込んでいく。
「やったぜ狂い咲きいいいいいいいいいッ!」
パピヨンの勝利宣言。
だが。
___二度と___
___こない_
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