第7話:人魚島の罠
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とある港町で漁獲量がガクンと減衰したと聴き、凶暴なモンスターの仕業と判断したグートミューティヒ。
で、実際に現場となった港町に到着すると、
「やはり今日も帰ってこなかったか……」
(帰ってこなかった?漁獲量が減衰しただけじゃないのか!?)
事態が更に悪化していると感じたグートミューティヒは、事の大きさに戦慄した。
「何が帰って来なかったんですか?」
大人達は、最初の内はグートミューティヒの質問に反応したが、
「なんだガキか……」
グートミューティヒを少女と見間違えた途端、興味を失ってそっぽを向いた。
「ここは子供が来る場所じゃねぇよ。けぇんな」
これ以上有益な情報は得られないと判断したグートミューティヒは、この港の近くで監視を行う事にした。
グートミューティヒは運が良かった。
監視初日から動きがあった。
「最近、我々に献上する魚介類の量が少ないぞ!一体何が遭った?」
漁獲量の減衰に対してとある貴族が文句を垂れたのだ。
が、そんな貴族の尋問ですら真相を吐かせるには至らなかった。
「それが解らないのです」
「ふざけているのか!?解らないとはどう言う意味だ?」
「最近、漁船がこの港に帰って来ないんです」
貴族に問い詰められている大人達の言葉に、グートミューティヒはある確信を得た。
(それってまさか……その漁船が襲われてる)
貴族もまたモンスター犯行を疑った。
「まさか、魔王軍の仕業だと言うのか?」
だが、大人達は貴族の予想を否定した。
「それがそうでもないんです」
「は?どう言う事だ?」
(え?違うの?)
が、貴族の予想を否定する理由がとてつもなくしょうもない事だった。
「漁船が帰って来ないのは朝の部と昼の部だけでして……」
「魔王軍の関与を否定した理由がそれだけだと?犯人が昼行性の可能性があるとは疑わなかったのか?」
「まぁ……夜の部は普通に帰って来てますけど……」
「反応が悪いのう……とにかく、原因をさっさと究明しろ。人数が足りぬと言うのであれば、その旨をさっさと我々に訴えでよ」
貴族との会話を立ち聞きしたグートミューティヒは、次の日に行動を開始する事を決意する。
次の日の昼。
試しに複数の漁船を出港させると言うので、グートミューティヒがその漁船に紛れ込んだ。
(さて……鬼が出るか蛇が出るか何が出る事やら……)
そして、漁船群が小さな岩山に近付いた時に早速異変が起こった……
「なんだこの歌は?」
「どこから聞こえて来るんだ?」
その時点でグートミューティヒは漁船が帰って来ない理由を知ったが、肝心の漁船が謎の歌の方に向かって進んで行ってしまう。
(なるほど!その歌を聞くと、誰でもフラフラーッと、誘い寄せられちゃうって訳か?)
グー
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