第二章
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「それでな」
「泳ぎが上手になってきているのね」
「泳ぎ方も上手になってな」
そうしてというのだ。
「速くもなってるんだ」
「そういうことね」
「そして距離もな」
泳ぐそれもというのだ。
「前に比べてな」
「長くなっているわね」
「最初に泳いだ時は」
その時はというと。
「今よりずっと遅くてな」
「泳ぎ方もぎこちなかったわね」
百合子はその時を思い出して話した。
「泳げる距離も短かったし」
「そうだったな」
「それがな」
今ではというのだ。
「速くなって上手になってだよ」
「長い距離を泳げる様になったわね」
「ああ、本当に泳げばな」
「泳ぐだけ上手になるのね」
「そうなんだよ」
まさにとうのだ。
「それだけな」
「そうなのね」
「そこは人と同じだな」
「泳げば泳ぐだけ上手になるのは」
「そして他のこともな」
泳ぎ以外もというのだ。
「そうなんだよ」
「やればやる程上手になるのね」
「人間と同じでな」
「犬もそうね」
「最初から出来るんじゃなくてな」
「訓練で出来る様になって」
「上手になるんだよ」
そうだというのだ。
「何でもな」
「そのこと覚えておくことね」
「俺達もな」
こう話した、そしてだった。
二人で楽しそうに泳ぐふわりを見守った、やがてふわりは充分泳いだと感じたのかプールから出てだった。
身体特に顔を激しく左右にぶるぶると振って身体を濡らした水を振って散らせてだった。両親のところに来た。
「ワンワン」
「ああ、今から拭いてやるな」
「それでお家に帰りましょう」
「ワンッ」
優しく言う両親を見上げ尻尾を振って応えた、そしてタオルで身体を拭いてもらってから夫婦の車に乗せてもらった。そうして家に帰ったのだった。
犬も泳げば上手になる 完
２０２４・５・２３
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