第一章
[2]次話
うちの犬
我が家の犬は大きいです。体重は三十キロはあります。
大きくその外見は毛が長く巻いていて目が見えなくなっている位です。傍から見ていて見えているのかどうか気になる位です。ちなみに女の子です。
この娘が三歳の頃に貰ってきてそれから二年半の間一緒にいて散歩に連れて行ったり御飯をあげたりしているのですがこの犬は実は困った娘です。
性格は大人しく優しく人懐っこいです。間違っても人に襲い掛かったり吠えたり噛んだりはしません。こう書くと性格がいいと思われるでしょうが実際に性格はかなりいいです。のどかでもありますのでストレスが溜まりにくく一緒に散歩をしていても一緒にいるこちらの方がのどかな気持ちになる程です。こう書くと何処が困った娘と誰もが思われるでしょう。
ですがあまりにも大人しく優しい性格であるが為に他の犬に強く吠えられても反撃なぞ全くしません、それどころか泣きそうな顔になって逃げる位です。
病院に行っても連れて行くまでに病院に連れて行かれると察すると足を止めて中々動こうとしません。それで病院に連れて行くまでもがまず大変です。
その次に病院の中に入っても隙があれば病院から出ようとします。完全に固まってしまって体重を計る台に乗せることすら大変です。
治療等が終わってようやく帰ることが出来る状況になると目でもう帰ろう、と訴えてきます。この時の顔がこれまたとても可哀想に見えて仕方ありません。
それでようやく病院から出ますとまさに脱兎の如く逃げ出します。リードを持っていなければそのまま家まで我先に帰らんばかりです。
他にも自分よりも遥かに小さな犬に吠えられて逃げ出しますし子供がいるとそこから逃げようとします。その子供のことですが。
実はうちの犬は病院や怖い他の犬よりも子供が苦手です。小学生までの子供に対しては傍に来るとそれだけで逃げ出そうとします。
ベビーカーに乗っている、自分に対して絶対に何もしてこない子供からも顔を背けさせて逃げます。幼稚園の子供に触られて怯えた顔でその子供の方を振り向いたこともあります。
何故ここまで子供を怖がるかというと前に他の人に飼われていた時、子犬の頃に子供に色々とされていたのかも知れません。
その為に子供が怖くなっているのでしょうか、とにかく子供を怖がって仕方がありません。
こうしたとにかく臆病で気の弱い犬です。ですが。
この気の弱さが外見とあいまって非常に可愛いのです。愛嬌を感じさせてくれます。ブラッシングをしようとするとすぐに傍に来て待ちますし言うこともいつも聞きます、気は弱いですがとてもいい犬です。
こう書くとこの犬について何も悩みはない様に思えるでしょうがやはりそうはいきません。悩みはどうしても起こるものです。
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