第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その十四
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「生きものも飼えない」
「全くですね」
「犬や猫もそうで」
「そして動物園やサーカスの猛獣も」
「時間をかけて教えてです」
「そうしてやっと暮らせたり芸を見せられます」
「それがわからないではだ」
それではというのだ。
「生きものは飼えない、飼う資格もだ」
「ないですね」
「それこそ」
「もうその時点で」
「生きものも時間をかけて育てる」
「そのことがわかっていないと」
「それすらない、もっともその資格はな」
それはというと。
「ペットショップで調べられるが」
「飼い主の適性検査のチェックを受けて」
「それで適性があれば飼えますが」
「そうでなければです」
「飼えないですね」
「そうなっている、エウロパではな」
そして連合でもだ、この時代こうした国々はペットショップを経営するにも資格や試験が必要だが買い手もチェックされるのだ。
「さもないと生きものが可哀想だからな」
「ですね、飼われてもです」
「それが酷い飼い方であればです」
「もうペットが可哀想です」
「その生きものが」
「ましてや飽きたりだ」
そのペットにだ。
「子供が生まれたから邪魔だのとな」
「そう言ってですね」
「かつては平気でペットを捨てる飼い主がいましたね」
「保健所に送ったり」
「公園や山に捨てたり」
「今は重罪でだ」
このことは連合でもだ。
「野に捨ててはな、そして保健所に送ることもな」
「正統な理由がないとです」
「引き取りません」
「里親に渡すならともかく」
「大切な命ですから」
「それもなりませんが」
「しかしだ」
それでもというのだ。
「かつては違ってだ」
「それで、でしたね」
「そうした無責任な飼い主もいましたね」
「生きものを飼う資格のない」
「そうした輩が」
「命の大切さを理解していなくてどうして人が育てられる」
フレッセルは忌々し気にこの言葉を出した。
「そもそもな」
「全くですね」
「命を粗末にしてはです」
「教育者になれません」
「到底です」
「それはなれません」
「私は強く思う」
その様にというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「そうした輩についてはですね」
「絶対に教育者として認められない」
「男爵としては」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
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