第七百五十二話 苗字がない家その二
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「十勇士の人達もよ」
「家臣になったのね」
「まあね」
ここでジョーは一呼吸置いてすぐ下の妹に話した。
「十勇士で実在人物は六人位らしいわ」
「それだけなの」
「三人か四人って説もあるわ」
それだけだというのだ。
「それで残りはね」
「実在しなかったの」
「モデルの人達がいて」
真田幸村の家臣の中にだ、司馬遼太郎はこのことから猿飛佐助は実在していた人物だと主張していた。
「それでね」
「そのうえでなの」
「十勇士は全員ね」
「いたの」
「ええ、それでこの人達が忍者で」
それでというのだ。
「幸村さんにお仕えしていたのはね」
「真田家が元々忍者のお家だったから」
「それでね」
その為にというのだ。
「お仕えしたのよ」
「そうだったのね」
「真田家みたいにね」
ジョーはあらためて話した。
「四つの姓以外のお家もよ」
「日本にはあるのね」
「山の民の人達に渡来人ね」
「日本以外の国から来た人達ね」
「聖徳太子のお母さんもよね」
エイミーはこの方の話をした、そうしながら鍋の中の白菜を食べる。
「確か」
「ええ、渡来人よ」
ジョーはエイミーに答えた。
「あの方のお母さんもね」
「そうだったわね」
「今は特にね」
この時代ではというのだ。
「あちこちから日本に来て」
「混血してるわね」
「そうなっているから」
「四つの姓以外じゃなくなってるわね」
「ええ、そうなっているわ」
「そういえばね」
メグは糸蒟蒻を食べてから言った。
「秦氏だけれど」
「日本の豪族ね」
ジョーはすぐに応えた。
「あのお家も渡来人なのよね」
「何でも始皇帝の末裔だっていうけれど」
「あれはね」
「ええ、実は違うわよね」
「韓国の方のね」
「今で言うとね。そちらの人で」
そのルーツはというのだ。
「始皇帝とはね」
「違うわね。始皇帝は確か」
メグはこの時代ではかなり高く評価されている人物の話をした、その統治が弾力的で合理的だったことに中国を形成したことが評価されているのだ。
「一族は項羽さんにね」
「滅ぼされているから」
「残っている筈ないわね」
「ええ、秦が滅んだ時にね」
始皇帝が死んで三年後のことである。
「そうなったから」
「だからね」
「有り得ないのよね」
「秦氏が始皇帝の末裔というのは」
「それで実はね」
「半島から来た人達ね」
「ええ、そうした人達が当時もね」
飛鳥時代それ以前の日本にだ。
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