第六十八話 高位の神霊達その八
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「そんな魔王がな」
「日本にはいて」
「そしてな」
羅にさらに話した。
「ほんまに」
「怖いな」
「ああ、人はな」
それこそというのだ。
「何よりも怖くなるってな」
「思ったんやな」
「私も」
「そやな、若し怨霊が世界を脅かすなら」
羅は危惧している顔でシェリルに話した。
「これ以上はないまでにな」
「怖い敵かも知れへんな」
「そうも思ったわ」
今そうしたというのだ。
「ほんまな」
「そやな、シェークスピアの幽霊はそこまで怖くない」
「あの人の幽霊は予言とか知らせに来るな」
「事件の真相とかな」
シェリルはハムレットの先王即ち主人公ハムレットの父親の幽霊を思い出して話した、あまりにも有名なこの幽霊をだ。
「話したりする、怨念はあっても」
「それを晴らしてもらいたい為に出て来るな」
「そや、しかし日本の怨霊はちゃう」
「自分で晴らしに来るな」
「それも日本全体に祟ることもある」
国という大きな単位にもというのだ。
「そこまで見るとな」
「日本の怨霊がどれだけ怖いか」
「魔王がな」
「わかるな、しかし」
羅は深刻な顔で話した。
「考えてみたら神霊さん達は危機が何か知ってるな」
「そやね」
綾乃が確かにと頷いた。
「やがてわかるとか言うてはるけど」
「その言葉からな」
「それがわかるね」
「ああ、その危機は何か」
「聞いてみたいけど」
「そうしてもな」
例え聞いてもとだ、羅は綾乃に話した。
「答えてくれへんな」
「然るべき時に教えてくれるってな」
「そんな感じやしな」
「運命論やと」
綾乃はこの考えから述べた。
「何かを知るには然るべき時に知る」
「そうしたもんやな」
「それでうち等はまだ」
「危機を知るべき時やない」
「その危機がどんなものか」
「それを知る時が来れば知って」
「そしてその危機に立ち向かうんやね」
綾乃は羅に顔を向けて言った。
「そうなるんやね」
「そうなるか、考えてみたら我等まだ統一もしてへんわ」
「三つの勢力に分かれて」
「十星連合、三星枢軸、五星騎士団に」
「そうなってて」
「世界もな」
この世界もというのだ。
「一つになってへん」
「うち等が分かれていて」
「それやとな」
「危機を知っても」
「まだ先のことや」
「そやね」
「先に知って前以て対策を練ることも出来るけど」
羅はその場合も考えて話した。
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