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毛に覆われた犬達
第二章

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「稀に伸び過ぎて酷いことになりますね」
「そうですね」 
 ティバーはブライスのことも思い出しながら頷いた、そうなった犬は本当に気の毒ですぐに保護し手助けなければならないと。
 だがそうした話はまだ彼の周りにありミズーリ州の従弟の家に行くとだった。
 十一歳の雄のシーズーを抱く彼にだ、こう言われた。
「ワンワン」
「サイモンっていうんだけれどさ」
「家族に迎える前はか」
「野良犬だったらしくて」
 それでというのだ、元気な彼を見つつ。
「毛が異常に伸びて」
「モップみたいにかい」
「なっていてね」
 そうであってというのだ。
「保護団体の人達は大変だったそうだよ」
「その毛をカットするのにだね」
「ああ、わかるんだ」
「そうした子達もいたからね」
 ブライスだけでなくアビーのことも思い出しつつ話した。
「わかるよ」
「そうなんだね」
「毛が伸び過ぎてモップみたいになると」
 そうなると、というのだ。
「空気の通りは悪いしやたらゴミが付いて」
「汚いね」
「出したものもでね」
 そうであってというのだ。
「本当にね」
「よくないね」
「そう、だからそうした子は」
 絶対にというのだ。
「すぐに保護して」
「毛をカットして」
「そしてね」
 おのうえでというのだ。
「お肌も汚くなっていて感染症になっていることも多いし」
「それでだね」
「すぐに治療して」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「健康を取り戻してもらわないとね」
「駄目だね」
「そうだよ、犬の毛は的確な長さに」
「そうでないと駄目だね」
「犬の為にね」
 こう言うのだった、そしてサイモンの頭を撫でた。すると彼は嬉しそうに尻尾を振ったので彼はそれからもこうした子を助けていこうと誓ったのだった。


毛に覆われた犬達   完


                   2024・5・22
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