第二章
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「本当にね」
「母ちゃんの推理はかよ」
「そう、探偵と怪盗のね」
「バトルか」
「頭で考えるよりも」
それよりもというのだ。
「身体を動かして走ってね」
「戦うんだな」
「文明の利器も使ってね」
「全然頭使わないな」
「何言ってるの、少年探偵団なんてね」
母は息子に自分が子供の頃に読んだこのシリーズの話をした、ただしドラマの方は年代が合わないので観ていない。
「二十面相を追いかけて」
「走り回ってたのかよ」
「そうよ、ああしたものこそね」
「母ちゃんの推理ものか」
「探偵と探偵のバトルが」
「手に汗握るか」
「それがいいのよ、そして怪盗はね」
そう呼ばれる存在はというと。
「クールでダンディで」
「二十面相みたいなのか」
「それかルパンよ」
アルセーヌ=ルパンだというのだ。
「堂々と予告して盗むね」
「タキシードとマントでお洒落したか」
「ダンディなものよ」
「それで非道はしないんだな」
「無用な殺人を嫌うね」
「ホームズにもベーカー街の少年団がいたけれど」
夫は難しい顔で述べた。
「お母さんのはまた違うな」
「アクション主体だからっていうの」
「そうだよ、名探偵じゃなくて」
「迷探偵?」
「それか別のジャンルか」
推理でなくというのだ。
「特撮みたいなものかな」
「そうかしら、けれど私はそちらが好きなのよ」
妻は夫にこう返した。
「勇気、友情、努力で」
「勝利か」
「アクションが凄くてね」
「怪盗はダンディな紳士か」
「堂々とした。そんなのがいいのよ」
まさにというのだ。
「だからこれからもね」
「そうした推理もの読んでいくか」
「アニメもゲームもね」
こう言って実際にだった。
日和はそうした推理ものを楽しんでいった、ホームズやポワロの推理ではなく友情やアクションが主体の。そうして趣味に満足していた。
するとだ、パートも家事もだった。
「趣味が充実してるとお仕事も家事も楽しくやれて上手にもなってるわね」
「それはそうだな」
「だったらこれでいいか」
夫と息子はそんな彼女を見て言った、その日の夕食も実に美味くそれならそれでいいと思ったのだった。
アクション推理もの 完
2024・5・22
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