第一章
[2]次話
アクション推理もの
主婦でパートでヤクルトの配達もしている堀江日和一五〇位の背で黒髪をセミロングにしているはっきりした大きな目と大きな赤い唇とすらりとしたスタイルの面長の彼女は推理小説にドラマが好きだ、だが。
好きな作家は江戸川乱歩に横溝正史でだ、推理といってもだ。
「やっぱり怪盗よね」
「探偵とバトルかい?」
「これがいいのよ」
夫でサラリーマンの京造長方形の顔で引き締まった唇と小さな切れ長の目とセットした黒髪に一八〇位の痩せた体格の彼に言った。
「推理はね」
「それ推理かな」
夫は妻に首を傾げさせて言葉を返した。
「果たして」
「推理よ」
これが妻の返事だった。
「というか推理もバトルというかね」
「アクションかな」
「そうしたものが必要なのよ」
「そうなんだ」
「そえでいざとなったら」
それこそというのだ。
「激しいね」
「バトルもなんだ」
「探偵と怪盗の」
両者のというのだ。
「ライバル関係とね」
「バトルがなんだ」
「いいのよ、ホームズやフレンチ警部もいいけれど」
「ポワロもだね」
「私はね」
何といってもというのだ。
「好きなのは」
「活劇なんだ」
「そうよ」
あくまでというのだ。
「そっちよ」
「そうなんだね」
「ええ、何と言っても」
それこそというのだ。
「激しいバトルがね」
「いいんだね」
「そうよ、事件を解決するのは」
それはというと。
「勇気と努力とね」
「友情かな」
「そうよ、怪盗が主役でも」
そうした作品でもというのだ。
「大事なのはね」
「友情、努力で」
「そして勇気よ。さてこの本読み終わったら」
日和はソファーに座って隣に座っている京造に言った。
「ゲームするわ」
「探偵のゲームだね」
「トイズの出るね」
「結構昔のゲームだよね」
「声優さんのユニットが主演のね」
「それで探偵が怪盗の一団と戦う」
「警察ともよきライバルでね」
「そのゲームをだね」
「やっていくわ」
こう言ってだった。
実際にゲームをするのだった、そしてだった。
日和は兎に角推理好きだったがそれは主にバトルだった、時代劇にしても遠山の金さんが好きだった。
「悪い奴等を薙ぎ倒す」
「そうした推理ものだね」
「そうよ、それが私のね」
「推理だね」
「そうなのよ」
「それ推理かよ」
高校生の息子の経蔵、父親そっくりの彼が言ってきた。
「推理ってな」
「頭を使ってよね」
「ポワロみたいにな」
この探偵の様にというのだ。
「解決するものだろ」
「違うのよ」
それがというのだ。
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