第十五話 発見その十五
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「そうはいません」
「牙鬼軍団以外の組織でもそうはいないな」
加藤も真剣な顔になっている、そしてお茶を飲んでから言った。
「見てみると」
「ヨドンヘイムの皇帝はまさにそうですが」
タキガワはこの組織の話をした。
「今のヨドンナ達はそんなに、ですね」
「そうだな」
「はい、あっしもそう思いやす」
「あれだ、悪と言っても色々だ」
獅子王はニンニンジャーの面々に話した。
「それこそ生粋の邪悪なんてのはな」
「そうはいないか」
「ドクターマンだってそうだろ」
「あいつも聞いていると」
「何処か悲しいな」
「そうなんだよな」
伊賀崎は獅子王のその言葉に頷いた。
「ギアを生み出してとんでもないことをしたけれどな」
「本当の悪ってのはそうはいないんだよ」
獅子王はこうも言った。
「悪いとされている連中でもな」
「それで九右衛門もか」
「あいつもな」
「生粋の悪じゃなかったんだな」
「色々やってきた奴だけれどな」
それでもというのだ。
「根っこはな」
「悪じゃなかったんだな」
「ああ、ただ本物の悪もいるんだ」
「やっぱりそうだよな」
「幸い今の俺達の敵にはそうした奴はいないさ」
それぞれの組織にというのだ。
「けれどこれからはどうだ」
「わからない?」
風花は獅子王の言葉に考える顔になって述べた。
「牙鬼軍団達も復活したし」
「ああ、若しかしたらな」
「そうした連中も復活するの」
「誰が復活させてるかはわからないけれどな」
「バスコ達が復活したら」
どうなるかとだ、風花は考えた、そのうえで言った。
「とんでもないことになるわね」
「はい、彼等はどんな邪悪で卑劣なこともします」
百地は厳しい顔で述べた。
「それこそ手段を選びません」
「そうよね」
「そうした者達こそがです」
風花に顔を向けて答えた。
「最も危険です」
「敵にしたら」
「そうなります」
「復活して欲しくないけれど」
松尾は心から願った、その言葉をそのまま出した。
「若しかしたら」
「可能性は否定出来ませんね」
「そうだよね」
百地の言葉に頷くしかなかった。
「あれだけの面々が復活してるんだし」
「むしろ何故復活していない」
加藤は逆説的に指摘した。
「そうした連中が」
「ましな連中だけが復活しやして」
タキガワも言った。
「それでとことん悪い連中は復活しない」
「おかしいな」
「何かの意志でしょうか」
「その何かも気になるな」
「そうでやすね」
「若しかして」
ふとだ、伊賀崎は思って言った。
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