第三章〜サルバッド狂騒曲〜 外伝〜砂漠の遊興都市〜
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ナ・フェンリィ!この二人はマストだ!この際、男どもなんぞ適当でいい!何があっても絶対に確保するんじゃ!」
一方その頃サルバッドに本拠地を置く映画会社――――――『ベガスフィルム』の会議室で脂ぎった中年男がスタッフ達に自分の意見を強く主張した。
「で、ですが監督…………」
「今をときめくトップスター二人を同時に押さえるなんて無茶ですよ〜!」
対するスタッフ達は中年男の”無茶”と言っても過言ではない要求に悲鳴を上げていた。
「それを何とかやり遂げるのがプロの仕事というもんじゃろうが!予算だのスケジュールだの細かいことは後から考えればいい!心配せずとも責任はワシが全部持つ!諸君は遠慮なく動いてくれたまえっ!」
「え、遠慮なくとかそういう問題じゃないんですってば〜!」
「――――――いやぁ、白熱していらっしゃいますね。」
中年男の指摘にスタッフの一人が疲れた表情で反論したその時青年の声が聞こえた後部屋に中東風の高貴な青年がスーツ姿の護衛の女性と共に入って中年男に近づいた。
「おお、シェリド殿下!よくいらっしゃいましたな!」
「フフ、やはり貴方に頼んで正解でした。此度の映画祭は間違いなく素晴らしいものになってくれるでしょう。映画祭も勿論、例のパレードについても想像以上に盛り上がりそうだ。」
「ムハハハハッ、どちらも心配ご無用っ!必ずやメッセルダム以上に白熱する映画祭にしてみせますとも!大衆は格調だの芸術性なんぞ、一リジュたりとも求めてませんからなぁ!映画で大切なのはエンターテインメント性、何よりもセックス&バイオレンス!!」
「監督監督、そこは『セクシー&スペクタル』なのでは?」
中年男の力強い主張に高貴な青年は苦笑しながら指摘した。
「おっとこりゃ失礼――――――ワッハッハッハッハッ!!」
「ハッハッハッハッ!!」
「…………殿下、ご自重ください。」
そして高貴な青年が豪快に笑い始めた中年男と共に声を上げて笑い始めるとスーツ姿の女性が静かな口調で高貴な青年に指摘した。
「おお、そういえばナージェ嬢にもパレードに参加してもらうのはアリですかな?これだけの逸材、活かさないのも勿体ない!」
「ふむ………それは確かに!どうだろナージェ、君さえよければ――――」
中年男の提案に同意した高貴な青年はスーツ姿の女性に振り向いてある提案をしようとしたが
「殿下――――――お戯れが過ぎると妹君にご報告しますよ………?」
「い、嫌だなぁ〜。もちろん冗談だともっ!――――――そうそう、監督。それ以外の”候補”についてですが…………」
ジト目になったスーツ姿の女性の忠告に冷や汗をかいた後苦笑しながら誤魔化し、中年男にあることを伝え始め
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