第七百五十一話 本名じゃないその九
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「分家の人として出て来たのよ」
「そうだったの」
「お子さんとしてね」
木下家のというのだ。
「それで二万石位のお家から分家されて」
「それでなの」
「一万石位のお大名としてね」
「生きていたの」
「そこまで分家されて」
二万石からというのだ。
「それでお大名よ、当時二万石って大名としては小さかったのよ」
「そこから一万石、半分ね」
「そこまで分けてもらってってね」
「相当なことよね」
「それも急に出て来た人だから」
その分家された者がというのだ。
「一応木下家の人になってるけれど」
「お父さんはお大名ね」
「木下家のご当主のね、けれどね」
そうした血筋になっているがというのだ。
「お母さんが誰か曖昧で」
「そこ怪しいわね」
「こうした条件が揃ってるから」
「信憑性あるのね」
「かなりね、そう言われてるの」
「そうなのね」
「私も思うわ。秀頼さんの息子さんは生きていたのよ」
処刑されたと言われているがというのだ。
「それでよ」
「大名として生きていたのね」
「それでその血筋江戸時代の間ずっと残ってたのよ」
「ずっとなの」
「明治の中頃まであったらしいわ」
その頃に嫡流は絶えたという。
「どうもね」
「江戸時代ずっと残ってたの」
「その人の血がね」
「あの、幕府気付いてたでしょ」
ベスは自分から見て二番目の姉の話をここまで聞いて述べた。
「そうでしょ」
「ええ、多分ね」
ジョーも否定しなかった。
「そうだと思うわ」
「それで何もしなかったの」
「元々豊臣家を滅ぼすことまでするつもりなくて」
それも戦をしてまでだ、戦えば敗れるかもしれないし家康自身も万が一ということがある。事実大坂夏の陣で家康は真田幸村に危うくというところまで追い詰められている。
「処刑したってしたし」
「一旦そうしたら」
「もう間違いないって思っていても」
秀頼の息子が大名になっていることがだ。
「それでもね」
「もういいってなったの」
「見て見ぬ振りしてたみたいね」
「そうなのね」
「勿論相手も言わないし」
秀頼の息子の方もだ。
「多分幕府に人質になっていた人が処刑されてるから」
豊臣家の重臣大野治長の息子である、尚息子達の中には生き残っている者もいるとのことで娘は彼の忠臣が終生世話をした。
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