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八条学園騒動記
第七百五十一話 本名じゃないその八

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「幕府もね」
「奴隷制反対だったのね」
「当然家康さんもね」
 穢多や非人という被差別階級はあっても奴隷ではなかったのだ。
「反対だったから」
「許せなくて」
「戦争になったのよ」
「流石にそれはだったのね」
「それで豊臣家滅ぼしたのよ」
「名前のことで言いがかりつけないで」
 その実はというのだ。
「信仰のことだったのよ」
「もっと言えば国防ね」
「例え幕府が禁止しても」
 キリスト教をというのだ、宣教師達は国外追放とし信者達には信仰を捨てさせたのだ。
「大坂がそうだとね」
「そこから入るわよね」
「だからね」
 そうなるからだというのだ。
「幕府も許せなかったのよ」
「他のことは大目に見られても」
「事実見てきたんじゃない?」
 ジョーは少し考えながら答えた。
「幕府もね」
「豊臣家には」
「何だかんだでね」
 あの手この手で大坂を手に入れる即ち豊臣家を大坂から出そうとしていてもだ、ジョーはそう見て話すのだった。
「そうだったんじゃない?」
「けれど流石になのね」
「キリスト教はね」
 これだけはというのだ。
「幕府としてはね」
「認められなくて」
「戦争になったから。いやとんだ誤解よね」 
「家康さんにとっては」
「名前を言う様な器の小ささ?」
「そこから戦争に持って行く腹黒さもあるわね」
「そうしたこと言われてね」
 そうなってというのだ。
「かなりね」
「いい迷惑よね」
「そうよね、ただね」
 それでもというのだった。
「豊臣家って実は生き残ったかもね」
「そうなの?」
「ええ、秀頼さんの息子さん処刑されたっていうけれど」
 エイミーに話した。
「実はね」
「生きてたの」
「とあるお家の分家の人がね」
「秀頼さんの息子さんだったの」
「密かに匿われていて」 
 秀吉の正室であるねねの実家木下家にそうされていたという。
「それでね」
「生き残っていたの」
「そうみたいよ」
「そうだったのね」
「昔は噂されていた位だけれど」
 豊臣秀頼の息子が処刑されずに木下家に匿われて生きていたという説はというのだ、事実この説は当時からあった。
「今はかなり信憑性があるってね」
「言われてるのね」
「ちゃんとした証拠もあって」
「証拠もあるの」
「ええ、戒名がね」 
 亡くなった時のそれがというのだ。
「秀頼さんの息子って表していて」
「仏教のそれね」
「出自もね」
「そうだって言われてるの」
「急になのよ」
 ジョーはエイミーに神妙な顔で話した。
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