第百二十八話 人は強くなってもその十二
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「巨人にしてもね」
「沢村栄二さん戦死しているし」
「他にも戦死した人いるし」
「阪神も景浦さんがね」
「あの人がよね」
北海道の娘は阪神の伝説の選手沢村栄二と数多くの尚武を繰り広げたと言われているこの選手の名前を聞いて言った。
「あぶさんのモデルよね」
「名前拝借したみたいね」
留奈もこう答えた。
「うちのひいお祖父ちゃんが言うには」
「そうなのね」
「うちのお祖父ちゃん戦前生まれで」
そうであってというのだ。
「戦争終わった時子供でも」
「その頃の野球知ってるのね」
「復員したひいひいお祖父ちゃんからも聞いたそうだし」
「その頃の野球のことを」
「それで私にもお話してくれたけれど」
「あぶさんのモデルは景浦さんなの」
「景浦さんに」
彼に加えてというのだ。
「物干し竿バットの藤村さんね」
「ミスタータイガースね」
「そう、この人にね」
留奈はさらに話した。
「近鉄の永淵さんって人いたらしいけれど」
「その人もモデルなの」
「そうみたいよ」
「複数の人がモデルなのね」
「あぶさんはね」
「そうだったのね」
「それでその景浦さんも戦死してるしね」
留奈は残念そうに話した。
「そうしたこと考えたら」
「あの親父だけ死んでたらね」
「よかったのにね」
「息子さんいじめてちゃぶ台ひっくり返す」
「糞親父だしね」
「その糞親父の漫画もだしね」
主人公が巨人だったというのだ。
「昔の魔球漫画なんてね」
「主人公巨人だったのね」
「他にチームないのって感じで」
「酷いわね」
「巨人は悪役でしょ」
それも絶対にして普遍のだ、この世の悪とは何かということを語るならば読売ジャイアンツを外しては絶対にならないのだ。
「もうね」
「巨人をちゃんと見たらね」
「横暴の限りを尽くして」
「巨人さえよければいい」
「汚いことばかりして選手掠め取って」
「弱くなるまでそればかりでね」
「しかも独裁体制」
これも巨人の特色である。
「生え抜きのスター選手しか監督にしない」
「他のチームから来た人に厳しい」
「そうしたね」
まさにというのだ。
「邪悪そのものの」
「極悪チームよね」
「そんなチームの本拠地が日本の首都のど真ん中にあるなんて」
「嫌過ぎるわね」
「折角幾重にも結界張ってるのに」
東京の街全体にだ。
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