暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第202話:黄昏に溶ける言葉
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いた。それもその筈で、世界に羽ばたいてからというものツヴァイウィングによる日本でのライブコンサートの数はめっきり減り、今回のライブも実に久々だったのだ。

 会場には国内だけでなく国外からも訪れたファンが集まり、会場へと続く唯一の道路は大型連休のUターンラッシュもかくやと言う混雑を見せていた。
 その足止めを喰らった車列の中には、他のファン達と同じように奏と翼のコンサートを楽しみにしていた響達の姿もあった。

「久々のライブだよッ! 奏さんと翼さんの凱旋コンサートだよッ! だけどこんなんじゃ間に合わないよッ!?」

 会場へと向かう車の後部座席で隣に座る未来に嘆く響。すると隣の車の窓から、同じく渋滞により牛歩を余儀なくされたクリスからの声が響いた。

「どうしようもないだろッ! 道路が混雑してんだから」
「それだけ、あのお2人が人気者だって事ですよ」

 クリスに続き透が響を宥める様に優しく声を掛ける。因みにあちらの車にはクリスと透の他に切歌と調も同乗していた。後部座席に4人はシートベルトの関係もあって座れないので、透は1人助手席である。

 その後部座席に座る切歌と調は、この場に居ないマリアの事を考えていた。

「マリアも急に来られなくなるなんて……」
「ツいてない時は何処までもダメダメなのデス」

 折角のライブだと言うのに、マリアが急遽来られなくなった事を2人も残念に思っていた。今回は久々の奏達のコンサートと言う事で、装者も魔法使いも全員休暇を与えられ彼女達のライブへと向かう事になっていた。
 そう言う訳なので、当然ガルドもこの日は本部の食堂の仕込みを終えたらセレナと共に一足先に会場入りしていた。その事はつい先程切歌と調のスマホに連絡が入っている。

「いいな〜、セレナとガルドはもう会場に入れたんだって」
「でもなんか早過ぎないデスか?」

 不意に切歌が口にした疑問。そしてガルドが魔法使いであると言う事を考えた時、クリスの脳裏に浮かんだのは彼が魔法を使ってセレナと共に現地入りした可能性であった。

「あの野郎、まさか……魔法使って会場に入ったんじゃねえだろうな?」
「あっ! それデスッ! きっと2人は魔法使ってさっさと行っちゃったんデスよッ!」
「と言う事は……」

 同じ車内だけでなく、隣の車に乗る響と未来の視線までもが透1人に集中した。彼女達の言わんとしている事を察した彼は、苦笑しながら周囲を見渡した。

「そうしたいのは山々だけど、転移するのにいい場所が分からないと……」
「あ、そっか……」
「いきなり人前に出ちゃったら大騒ぎになるのデス」
「ガーン……」

 これが緊急時であればそんな悠長な事も言ってはいられないが、平時の今にいきなり人が消えたり出たりなんて事になれば
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ