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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第202話:黄昏に溶ける言葉
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しか扱えないシンフォギアと違い、適性の幅が広くまた一度能力を発現させる事が出来ればそれだけで一騎当千の活躍が期待できる。フロンティア事変ではノイズの存在もあったとは言え、圧倒的少数の戦力でアメリカの艦隊を壊滅状態に追い込んだのだ。
あの力を何とかして護国の為に役立てたい。そう思いはしても、それを実現するのは非常に難しかったな。何しろ辛うじて手が届きそうなところに居る魔法使いは、皆弦十郎が指揮するS.O.N.G.に居る。これで彼らがS.O.N.G.の指揮下にあるのであれば強権を用いて引き抜き日本の護国の為の礎とする事も出来たのだろうが、強かで抜け目のない輝彦は飽く迄も弦十郎からの権限が届かない協力者と言うスタンスを崩さず、颯人を始めとした魔法使い達にもそれを徹底させた。お陰で訃堂は彼らに手を出す事が出来ず、彼らの力を指を咥えて見ているしか出来なかった。
そんな時に接触を図ってきたのが、他でもないワイズマンであった。彼は突如訃堂の前に姿を現すと、警戒する彼に向けてこう宣った。
曰く、取引をしよう……と。
「お主らの力はよく分かっている。それをこの国の守りに役立てられるのなら、協力する事も吝かではない」
「結構。ただ、こちらとしても色々と問題を抱えていてな」
ワイズマンの言う問題とは、端的に言ってしまえば人材不足である。これまでの戦いでジェネシスはその戦力を大きく削がれ、全盛期に比べればその力は弱まっている。戦力回復の為にメデューサを始めとした幹部が奔走してくれてはいるものの、輝彦達による妨害を受けてそれも正直滞りがちであった。
事ここに居たり、ワイズマンも自分達だけで動くのは限界があると考え協力者を得ようと考えた結果、白羽の矢が立ったのが訃堂だったのである。
含みを持たせたワイズマンの言葉に、訃堂は再び小さく鼻を鳴らすと目を瞑って口を開いた。
「近々、翼の奴めが大きな宴を催す。狙うならそこであろう」
「結構。では……」
訃堂からの答えに満足そうに頷いたワイズマンがその場を去ろうとする。その際、黒衣の背に向けて訃堂が付け加える様に言葉を投げ掛けた。
「どうせ行くのであれば、翼の奴めに今一度”剣”としての生き方を思い出させてもらおうか。あ奴に必要なのは歌ではない、剣だとな」
背後から投げかけられた言葉にワイズマンは振り返ると、言葉もなく頷き今度こそその場を立ち去った。
〈テレポート、ナーウ〉
魔法を用いて一瞬で姿を消したワイズマン。それを見た訃堂は、瞑想にふける様に目を瞑りその場で静かに座っていた。
***
遂に始まった、ツヴァイウィングの凱旋コンサート。この為に誂えた水上ステージは、多くの観客で賑わい過去に類を見ない程の熱気を持って
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