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夢幻水滸伝
第三百四十九話 迅速な攻略その五

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「ここは」
「そうね」
 デリーロはガーランドの話をここまで聞いて言った。
「もうゲリラ戦をしても効果はあらへんし」
「それならな」
「もうね」
 ここはと言うのだった。
「ほんまにね」
「乾坤一擲でな」
「奇襲を仕掛けることね」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「敵を倒せばや」
「それでええわね」
「ああ、それで負けたらな」
「それまでね」
「そうしよか」
「そうするのね」
「さながらな」 
 ガーランドはさらに話した。
「ドイツ軍のアルデンヌでの攻勢や」
「それもアメリカ軍へのよね」
「そや、フランスにやったのやなくてな」
 こちらは一九四一年の攻勢である、マインシュタインの提案で機械化部隊にアルデンヌの森を突破させそこからフランスに攻め込んで勝利を得たのだ。
「ドイツ本土に迫ってたな」
「あたし達のひいお祖父ちゃん達を攻めたわね」
「ああ、自分テキサス州生まれで」
「テキサス大隊が包囲されたのよ」
「そやったな」
「そこにあたしのひいお祖父ちゃんのお友達いたのよ」
 デリーロはガーランドに笑って話した。
「それでね」
「危ないとこやってんな」
「あの時はね」
 こちらは一九四四年のことだ、優勢に油断していたアメリカ軍にドイツ軍が最後の攻勢に出たのである。
「あと少しでどうなっていたか」
「そんな状況やったな」
「それが助かったのよ」
 デリーロはここで笑ってだ、ガーランドに話した。
「四四二部隊が来てね」
「日系人のな」
「そやったのよ、ちなみにそのひいお祖父ちゃんはあの戦の時ずっとイギリスにいたわ」
 アメリカが拠点としたこの国にというのだ。
「航空隊で整備兵やってたのよ」
「そやったか」
「そのひいお祖父ちゃん、父方のお祖父ちゃんのお父さんのね」
「それでお友達はテキサス大隊か」
「そやったのよ、それでそのアルデンヌみたいに」
「攻めるんや、この世界のテキサスも荒野が多いが」
 ガーランドはさらに言った。
「森も多い、その森からな」
「攻めるのね」
「そうしよな、戦車も装甲車もな」
 そうしたものもというのだ。
「総動員してな、そして出来ればな」
「天候が悪い時ですね」 
 オコナーが言ってきた。
「その時にですね」
「そや、そうした時にや」 
 ガーランドはオコナーにまさにと答えた。
「悪うないとこっちの風水師それに幻術師を用いてな」
「気候や環境を悪くさせますね」
「そうして乱してな」
 そのうえでというのだ。
「攻める、それも無理やったら早朝や夜間にな」
「攻めるのですね」
「まともにやったらな」 
 それこそというのだ。
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