第二章
[8]前話
高校の頃は彼の会社の業界が不況でだった。
「お父さんもお母さんも大変だよ」
「会社大丈夫?」
「潰れはしない位みたいだけど」
同じ高校に通っている佐藤に話した。
「けれどね」
「大変なんだね」
「業界が不況でね、けれど」
それでもというのだった。
「お金はあるから」
「こうした時に備えていて」
「それでね」
そうであってというのだ。
「資金には困ってないそうだよ」
「備えあれば憂いなしだね」
「うん」
まさにと答えた。
「お父さんもお母さんも言ってるよ」
「浮き沈みあるから」
「だからね」
「いざという時に備えて」
「普段から節約することはね」
これはというのだ。
「大事ってことだね」
「それで君もなんだ」
「質素にしてるよ、実際いざって時にお金あったら」
そうであればというのだ。
「助かるしね」
「節約してるんだね」
「お金はあると自分でも思ってるけれどね」
こう言って小学校の時からの生活を送っていた、そして大学生になった頃には業界の景気が戻ったが。
同窓会でだ、仲村は大学は別になった佐藤に言われた。
「そのスーツは」
「うん、普通のお店でね」
「買ったのだね」
「日本のね」
「相変わらずだね」
「うん、節約してるよ」
仲村は自分から言った。
「やっぱりね」
「そうだね」
「身なりは整えてもね」
「節約は忘れないね」
「そうだよ、今は景気が戻ったけれど」
「また悪くなるだね」
「実際高校時代うちの会社不景気だったし」
それで苦しかったからだというのだ。
「今は景気が戻ったけれど」
「やっぱり節約だね」
「そうしていくよ」
こう言って同窓会の会場の居酒屋の飲み放題のビールを飲むのだった、その姿は実に様になっていた。
やがて彼は自分の家の会社に就職したがやはり生活は変わらなかった、そして安定した経営で浮き沈みを乗り切っていった。そんな彼を周りはいい経営者だと評価した。
浮き沈み 完
2024・5・18
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