第二章
[8]前話
「そうしていきましょう」
「注意するのは君で」
「あなたは基本放任でね」
「それでいこう」
「幸い悪い方にはなっていないし」
「ぐれていないしね」
「だからね」
このこともあってというのだ。
「私が言うわ」
「宜しくね」
こう話してだった。
母親が娘達を主に見ることになった、娘達が反抗期の間そうしていった。そしてそれが終わった頃にはだ。
「普通になったよ」
「そうか」
「反抗期が収まったら」
職場で同期に話した。
「そうしたらね」
「それは何よりだね」
「僕の言うことも聞くし」
「素直になったんだね」
「うん、やっぱり反抗期はね」
「あるね」
「特に女の子は」
こう言うのだった。
「それがわかっていて」
「予測していたら」
「もうね」
「楽だね」
「反抗期になっても」
こう言うのだった、そして娘達は大学を出て就職してそれぞれ結婚して家庭を持つと彼に実家でこんなことを言った。
「息子反抗期でね」
「うちもよ」
双子で言うのだった。
「来ると思ってたら」
「来たわね」
「そうか、しかし来ると思っていたらな」
娘達に言うのだった。
「そんなにだろ」
「ええ、別にね」
「困らないわ」
「こうしたものってわかってたから」
「それじゃあね」
「そうだな、二人共な」
父として言った。
「それぞれの家で上手くやるんだぞ」
「うちの人と話してやってるわ」
「うちもよ」
娘達は微笑んで答えた。
「うちの人と話して」
「そうしてやっていってるわ」
「そうしていくんだぞ、反抗期には反抗期のやり方があるんだ」
娘達に言う、そして妻が煎れたお茶を飲んだ。そのお茶は不思議と懐かしい味がする様に感じられた。
反抗期が来ても 完
２０２４・５・１８
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