袋小路
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……響! 一之瀬を安全な所へ!」
「うんッ! ちづるさん、早く逃げようッ!」
「待って! え、多田くん、その姿は何?」
「ああ……すまん! 今日見たことは全部忘れてくれ!」
「忘れてって……ちょっと!」
だが、ちづるのそれ以上の文句を受け付ける余裕はない。
響が彼女の背中を押し出し、袋小路から外へ連れ出そうとしている。
しかし。
「逃がさないよ」
指をパチンと鳴らすパピヨン。
すると、蝶たちが袋小路の出口を塞ぐ壁となる。
「ッ!」
「俺は参加者と戦えるなら何だっていい。ランサー、君も例外ではない」
パピヨンは両手を組む。すると、細身の彼に蝶が集まっていく。
すると、その背中に蝶の羽が顕現する。
その美しさに一瞬ビーストは息を呑むが、すぐに首を振る。
「どうせ戦うんなら、参加者になってからにすればよくねえか? 第一、そんなに参加者にまでなって叶えたい願いとかあんのか?」
「さあね?」
パピヨンは答えない。
「これといった願いも無さそうな君も似たようなものだろう?」
「あー、オレの場合は、大発見してえって願いを、どうせ聖杯が早合点しちまったんだろうよ。魔力がある分、迷惑な話だぜ」
「ふうん……それはそれは」
パピヨンはにたりと笑みを浮かべる。
「さあ、始めようか!」
蝶たちはパピヨンの指令によって群れを成しながらビーストへ迫ってくる。
「蝶だったら鳥には食われるだろ!」
『ファルコ ゴー ファ ファ ファ ファルコ』
ビーストは右手に付け替えた指輪をビーストドライバーのスロットに装填。すると、オレンジの魔法陣が出現し、それへビーストは手を伸ばす。
すると、魔法陣が通過し、ビーストの右肩にはハヤブサを象るパーツとマントが取り付けられた。そのままビーストは、ダイスサーベルに仕組まれた回転機構を作動。
『5 ファルコ セイバーストライク』
出目の数だけ出現したオレンジの魔法陣。
そこから出現した五体のオレンジのハヤブサたちは、蝶を次々に捕食していく。
「まだ終わりではない!」
だが、パピヨンが繰り出す蝶はまだまだ底が知れない。
「ふむ……」
「何度やっても無駄だぜ!」
『3 ファルコ セイバーストライク』
もう一度振られるダイスサーベル。同じく飛び立つハヤブサたちが、それぞれ蝶たちを食らい尽くす。だが今度はその数は少なく、打ち漏らしが非常に多い。
「美しく……散れ」
パチンと指を鳴らすパピヨン。
その通りに、蝶たちはビーストへ接触するたびに爆発を繰り返していく。
大きく吹き飛ぶビーストは、そのまま地を転がった。
「コウスケさんッ!」
「まだ平気だ!」
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