袋小路
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の残骸を見上げると。
それは、小さく爆発。
だが響の体が盾となり、ちづるへは被害はなかった。
「響! 大丈夫か? 一之瀬は?」
「へいきへっちゃらッ! ちづるさんも平気だよッ!」
「何……? 今の……?」
小さいながらも爆発という異常事象に、ちづるは顔を真っ青にしている。
彼女の無事に安堵したコウスケと響は、互いに顔を見合わせた。
「ねえコウスケさん……さっきの蝶……」
「ああ。ハルトから聞いた情報通りなら……」
そして、二人の予感は的中してしまう。
狭い袋小路に、一頭、また一頭とその数が増えていく。袋小路から夕焼け空が見えなくなるほどの大群に発展した蝶の渦の中より、黒い脚線美が現れた。
「ふむ……何やら参加者の臭いがするなあ」
それは、タキシード姿の男性だった。自らのボディラインを前面に押し出した服装をしており、もし美脚でなければ見るに堪えない服装だっただろう。その顔は蝶の仮面で覆われており、より一層の外見の異質さを際立たせている。
「蝶の形をした変態仮面……」
「てことは、あの人がハルトさんが言ってた見学者ッ! 名前は確か……」
「ああ、パピヨンだ!」
聖杯戦争へ興味を持ち、様々な参加者へ接触を試みているらしい人物、パピヨン。
パピヨンは指を振る。
「ノンノン。パピ?ヨン。もっと愛を込めて呼んでくれ」
パピヨンは指を振りながら、コウスケと響を見下ろす。
「君たちのことは聞き及んでいるよ。ビースト、そしてランサー。とくにランサーは、ムー大陸の脅威からこの見滝原を救った英雄だそうだね」
パピヨンはそのまま、共にいるちづるへも目をやる。
「ほう……君も参加者なのかい?」
パピヨンはちづるへも視線を投げる。
「君のことは初めて見たが、なるほど。では、早速、お手合わせ願おうか?」
パピヨンが告げる。すると、彼の手には紫の蝶が留まった。
「! 一之瀬逃げろ!」
コウスケが叫ぶがもう遅い。
すでに、別の蝶が、ちづるのすぐ近くへ移動していたのだ。
パピヨンはパチンと指を鳴らし。
「ニアデス・パピネス」
蝶が爆発。
人間の反応速度を超える爆発に、コウスケは吹き飛ばされる。
すでに大きく地面を抉ったその勢いは果たして生身の人間が耐えられる威力だとは思えない。
だが。
背中だけ一瞬シンフォギアを顕現させた響が盾となっていた。
響は少しだけ体が痛めつけられていたが、ちづるには外傷は見られない。
「響!」
「へいきへっちゃらッ! ちづるさん、大丈夫?」
「あ……あ……」
爆発のダメージから逃れることが出来たちづるは、ぱくぱくと口を動かしている。
先ほどの小さな爆発
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