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俺様勇者と武闘家日記
第3部
サマンオサ
三人の行方
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「もうタイムリミットだ。探しに行こう」
 西日の差すリビングに映し出されたルークの影とともに、低く響く彼の声が床に落とされた。
 日暮れ前までにユウリたちが戻ってきてくれることを願い、待ち続けたのもむなしく、彼らは結局戻ってくることはなかった。
「ルーク。皆を探すぐらい私一人でも大丈夫だよ」
 けれど私の申し訳ない気持ちとは裏腹に、ルークは首を横に振った。
「ダメだよ。夜のサマンオサは昼間の危険とはまた違うんだ」
 それってどういうこと? と尋ねる間もなく、ルークは私の手を取り玄関へと向かった。
「母さん。ちょっと行ってくる。鍵はかけておくから」
「ええ。ルークも気を付けてね」
 険しい顔で見送るコゼットさんに背を向けると、ルークは玄関の壁に掛かっている装備品を取り、自身の腰のベルトに括り付けた。それは手にはめるグローブのようなものだった。金属製だが、随分と使い込まれているように見える。
「ねえルーク。外に出るのに武器が必要なの?」
「ああ。さっきも言ったけど、地下とは言え町の中に魔物がうろついてるかもしれないんだ。用心するに越したことはないよ」
 私が信じられないような顔で見返すが、ルークの反応はいたって普通だった。確かに公園で話をしたとき、町の地下通路に魔物がいて、ルークはその魔物を退治する仕事をしていると聞いていたから、町の中に現れても不思議ではないのだろう。
「それに魔物だけじゃない。夜になるとガラの悪い連中が僕たちみたいな立場の弱い人間を狙って金品を強要したりするからね。特にミオは女の子だし、気をつけないと」
 それを聞いて、ランシールでの出来事を思い出した。あの時はユウリのおかげで助かったけど、もう二度とあんな思いはしたくない。
「わかった。自分の身は自分で守るよ」
 私が納得すると、なぜかルークは苦笑した。
「大丈夫だよ。ミオは僕が守るから」
「へっ!?」
 突然さらりとそんな台詞を言われ、思わず変な声を出してしまった。
「えと、いや、私もそれなりにレベル上げてきてるから、ルークに守られなくても大丈夫だよ!」
 そう言った後で、ルークの気遣いを否定しているように聞こえたことに気づき、慌てて訂正する。
「ごめん、違うの!! そう言ってくれるのは嬉しいけど、ルークにばっかり頼るのも悪いって言うか……」
「はは、相変わらずだなあ。でも、ミオのそういうところ、好きだよ」
「え!? あ、うん、ありがと」
 あまり男の人にそんなことを言われたことがないからか、恥ずかしさのあまり適当な返事をしてしまう。別に性格のことを言われただけで、他意はないはずだ。そう自分に言い聞かせ、私はルークとともに夜のサマンオサの町へ出ることにしたのだった。


 
 ルークの家から走ること十数分、公園とは反対の方角に、
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