第6話:遅参勇者と焦る魔女@
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な事を訊いてどうするんですか?それより、早く働いて下さい」
先程の商人に散々嫌味な事を言われたマドノがイライラしていた。
「ふざけんなよ!こっちは魔王退治と言う危ない事をしてるんだぞ!経験値稼ぎぐらいゆっくりやらせろよぉ!」
それを観ていたマシカルは、マドノの唇が尖る理由に逸物の不安を感じていた。
「なあマドノ、やっぱり経験値稼ぎだけじゃなくこっちも何か依頼を受けたらどうだ?」
しかし、マシカルはマドノに叱られた。
「お前は馬鹿か!?」
「え?」
「どんだけ手柄や名声を稼いだってなあ、肝心の魔王に敗けちまったら、意味無ぇんだよ!」
「それは!……それは……」
マシカルは答えに詰まった。
だが、それでもグートミューティヒに手柄や名声を横取りされる事態を快く思わなかった。
「だが!どんなに強くたって、魔王退治を依頼されなきゃ魔王の前に立つ事さえ―――」
それに対し、マドノは胸元のバッチを見せびらかした。
「何寝惚けてるんだ!俺は星空の勇者様だぞ!」
反論の術を失ったマシカルは、手柄を横取りし続けるグートミューティヒへの不満を募らせつつ沈黙した。
その一方、フノクは不満そうに自分の両手を視ていた。
「グートミューティヒ……何か嫌な事を思い出しそうな気がする……」
フノクの不満にマシカルは呆れる。
「そんな事を言って、本当は美女の胸を揉みたいだけでしょ?この変態―――」
「胸!?」
その途端、フノクの眉間に無数の青筋が浮かんだ。
「血が……泡立つ……」
「は?」
「あの巨乳気取りの男乳の感触を思い出す度、血が泡立つ!」
マドノもマシカルもまったく興味を示さなかった。
「だから?」
「まさかとは思うが、経験値稼ぎをサボってまでその女装男を追い回すって言うんじゃないだろうな?」
そんなマドノ達の態度に、フノクの不満を更に悪化させた。
「腹が煮えくり返らんか!?あのぬか喜びを!」
「だから……さっきも言っただろ!魔王に負けたら意味が無いって!」
「と言うか、これに懲りてそう言う馬鹿な事を辞めたら?」
「いーや!福々しくて美しい巨乳は、若く美しい美女にこそ相応しいのじゃ!」
もう聞く価値無しと判断したマシカルは遂に黙った。
その時、勇者一行の前にヒグマが現れた。
「絶好の経験値稼ぎの場を失ってイライラしてるって時に……こうなったら、こいつをぶちのめして経験値の足しにしてやる!」
嫌な予感がしたヒグマは、一目散にその場から逃げたのであった……
その日の夜、マシカルはグートミューティヒなる謎の人物について色々と思案していた。
(マドノの奴はあんな事を言っているけど、本当にこのままグートミューティヒに手柄を奪われ続けて良いのだろうか?)
そして、最近聞く噂を思い出して焦りが募った。
(経験値稼
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