第6話:遅参勇者と焦る魔女@
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とある洞窟でスケルトンが大量発生しているとの噂を聞き付けた勇者マドノは、そこで経験値稼ぎをしようとしたが、
「ちょっとちょっとちょっと!お前ら、何しにこの洞窟に入ろうとしてるんだ!?」
マドノにとっては余計な冒険者集団は経験値稼ぎの邪魔でしかなかった。が、
「何って、ここで宝石を掘り出しにだよ」
マドノにとっては予想外の言葉だった。
「何言ってんだ!この先には大量の経験値……もとい!スケルトンが―――」
だが、マドノ一行を差し置いて洞窟に入ろうとしている連中は、何も知らないマドノ一行を笑った。
「ははは。何も知らずにここに来たのか?」
「何!?」
「この洞窟を占拠していたスケルトンの親玉なら、グートミューティヒって言うプリーストが倒しちまったってよ」
「後、そのスケルトン達が仕掛けた罠も全部発見してくれたそうだよ?」
マドノは「嘘だ!」と言いかけたが、彼らの装備をよく視ると、武器はツルハシとスコップだけ、防具に至っては下着とズボンだけであった。とてもじゃないが戦いが出来る格好ではない。
「そいつ……なんて事を……俺達の経験値はどうなるんだ……」
そこへ、グートミューティヒのお陰で宝石鉱山を奪還出来た商人がやって来て、いきなり嫌味な事を言いだす。
「もしかして、貴方が星空の勇者様ですかな?」
先程までマドノと話していた作業員達が一斉に驚いた。
「星空の勇者だと!?」
「俺……この人達に生意気な事言っちゃったよ」
が、商人が困惑する作業員達を嫌味ったらしく宥めた。
「なーに、そんなに驚く事じゃない。寧ろ、重役出勤し過ぎて私の首を長ぁーーーーーくした期待外れ様ですから」
元々、経験値稼ぎをする為にこの洞窟に来ただけなので洞窟の奪還までは考えていなかったので、期待外れと言われてもどうにも感じなかったマドノ。
「期待外れって、まだ俺達は魔王と戦ってないよ」
そんなマドノの言い訳に対し、商人は嫌味たらしく反論する。
「ほほぉーう。期待外れな星空の勇者様は、『機を視て敏』と言う言葉をご存知無いと?悠長ですなぁー」
だが、マドノは手柄を奪われた事より、経験値が稼げない事の方が重大な問題らしく、
「本当に……本当にスケルトンは1体も残ってないんだな!?」
それに対し、商人は厭らしく言い放つ。
「だったら、実際に視て確認してください。ただし、入るからにはそれなりに宝石を回収するまで外に出しませんけど」
「なんだよそれ!こっちは魔王との戦いに備えて経験値稼ぎをしてるんだぞ!なのにその態度は何だ!?」
「せっかく貯めた経験値も、役立つ時に役立てねば、何の意味もありません」
マドノが悔しそうに地団駄を踏む中、マシカルは手柄を横取りしたグートミューティヒについて気になっていた。
「で、その方の特徴は?」
だが!
「その様
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