第七百五十一話 本名じゃないその六
[8]前話 [2]次話
「普通のサラリーマンのお家からね」
「大統領になるのね」
「あるにはあるけれどね」
「連合だとね」
「けれどまあかなりの立身よ」
一介のサラリーマンの家から出て国家元首になることはというのだ。
「連合でもね」
「あるにはあっても」
「凄いことよ」
「そうよね」
エイミーもそれはと応えた。
「やっぱり」
「ええ、そう思うとね」
「劉邦さん凄いわね」
「私もそう思うわ」
「そうね、ただ名前がなかったことは驚いたわ」
「名前のことは何かと面白いのよね」
メグも編みものをしつつ話に入ってきた。
「調べると」
「そうよね」
ジョーは姉にも応えた。
「人の名前ってね」
「本名じゃなかったりね」
「ペンネーム使っていて」
「それで昔はお国によっては諱もあったって」
「面白いわよね」
「若し私達に諱があったら」
どうかとだ、メグは一番上の妹に話した。
「どうだったかしら」
「男の人だけだったみたいだけれどね」
諱があったのはとだ、ジョーは姉に答えた。
「連合だと男女同権でね」
「女の人の名前もだしね」
「だったらね」
「私達に諱があったら」
「どうだったか」
「何かお話を聞いてたら」
諱のそれをだ。
「普通のお名前と違うわね」
「当時のね」
「織田信長さんだってね」
「普通は織田三郎さんって呼ばれてたしね」
これは織田家の三男であったからだ、三男であったが正室との間の子であったので織田家を継いだという意味合いも強かったのが彼であるのだ。
「本来の苗字と諱だとね」
「平信長さんね」
「そうなっていたからね」
「じゃあ私達にも本姓があったら」
当時の日本の様にだ。
「例えばオルコットって本姓で」
「そこに諱があったら」
「マーガレットとかね」
「じゃあ姉さんはマーガレット=オルコットになるの」
「本姓と諱があったらね」
生を例えて話した。
「そうじゃないかしら」
「別人の名前ね」
エイミーは長姉の話を聞いてこう述べた。
「それだと」
「そうよね」
「けれど当時の日本だと」
「本姓と諱だとね」
「そうなるのね」
「それで普通はね」
それが公の場でもだ。
「使われないのよ」
「そうよね」
「だから家康さんもまさかって言ったのでしょうね」
方広寺の鐘のことでというのだ、尚この鐘はこの時代においても現存し普通に見ることが出来たりする。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ