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金木犀の許嫁
第十七話 生まれ変わりならその十一

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「贔屓された人は歪み冷遇された人はです」
「嫌に思いますね」
「誰にとってもよくありません」
「そうなりますね」
「ですから」
「贔屓はしないことですね」
「家族の間でも」
 絶対にというのだ。
「してはならないです」
「そうですね」
「幸村公はです」
「そんなことはしないで」
「お子さん達の誰もを大事にされ」
 そうしていてというのだ。
「十勇士の方々ともです」
「公平かつ平等でしたか」
「主従であるだけでなく」
 それと共にというのだ。
「義兄弟、友人同士であったので」
「そうでもありましたね」
「十勇士のどなたも贔屓されず」
「対していましたか」
「そうでした。まことにです」
 幸雄は佐京に確かな声で話した。
「あの方は鑑です」
「あの様にあるべきですね」
「人として」
「そうですね、聞けば聞く程です」
 まさにとだ、白華も言ってきた。おでんのごぼ天をとても美味しそうに食べてそれからカルピスチューハイをロックで飲んでから言った。
「あの方は素晴らしい方です」
「左様ですね」
「まさに理想の方ですね」
「人として」
「武将としても最高ですが」
「それだけではありませんでした」
 真田幸村、彼はというのだ。
「まさにです」
「最高の人でしたね」
「はい」
 文字通りというのだ。
「私はそう思います」
「私もです、それでは」
 幸雄に確かな声で言った。
「これからはです」
「あの方をお手本として」
「努力していって」
「ご自身を磨かれていきますね」
「そうします」
「そうして下さい、私もですから」
 幸雄は白華にも微笑んで話した。
「あの方をです」
「鑑、お手本にされて」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「日々精進し」
「ご自身を高めていっておられますね」
「そうしています。ただ」
「ただ?」
「あの方の域に達することは」 
 焼酎の水割りを飲みながら言った。
「おそらく無理です」
「出来ないですか」
「あまりにも素晴らしい方なので」
 だからだというのだ。
「あの方の域にはです」
「達せられませんか」
「はい、ですが」
 それでもとだ、幸雄は白華に話した。
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