第7話:適度な恐怖心が足りない……
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《それ》だと肉や魚を料理するって意味になっちゃいますけど!
正に恐れを知らぬ熊!
あんなのの部下になったら……命が無尽蔵に有っても足りぬぞ!
そこへ、ドウカァーが予想通りの質問をする。
「やはり直接直談判すべきでは?」
……ドウカァーの言い分はよく解る!豊臣秀吉だってそれで済めばそうしたい!
でも……
「それだと、私はおろか、ドウカァーさんまで降格してしまいますわ」
「私が!?何で!?」
「この豊臣秀吉の突撃嫌いと慎重思考を矯正出来なかったからですわ。そうなれば『ドウカァー、お前がついていながらなんて様だ』と仰る筈ですわ」
「うっ……」
ドウカァーは反論出来なかった。
確かに、ドウカァーが豊臣秀吉の慎重思考とズルを矯正出来なかった。寧ろ、ヌードンを拉致した裏切り者との戦いによって突撃思考が萎えてしまった時期さえあった体たらくだ。
その様なドウカァーの姿を、人の味を知り過ぎた熊の様な父上が見たら何と言うか……
……本当に……説得だけで事が済めばどれだけ楽か……
だが、悲しかな人の味を知り恐れを忘れた熊に、人の都合や言い分は通用しない。
一方通行のままどちらかが敗北して終わり……後に残るは陰惨な血だまりのみ……
悲しくてかなわんなぁ!
つまり……こうなってしまった時点で、お互い遭わない事こそが両者の幸せであり最良な行動なのだ。
……ん?
「如何なさいました?オラウ様?」
「最後尾のあの白い服を着た連中は何だ?どうも戦いに不向きな様に見えるが?」
「いや……その様な話は聴いておりません」
「何だと!?」
ドウカァーの返答を聴いた途端、あの謎の白服軍団が熊を殺そうとしている狡猾な猟師に見えたぞ!
だとすると……これはヤバいな!
一方、伝令からの報告を聴いたイナオリが勝ち誇ったかの様に邪な笑みを浮かべた。
「……そうか……そぉうかぁ」
どう言う訳か笑っているイナオリを観て不気味がるヨツメ。
「な!?……何が起こってるんだよ……」
イナオリが子供の様に大喜びする。
「やはりムソーウ王国は調査通りの単純馬鹿だったんだよ!」
本当なら「何言ってんだお前!」と言いたかったが、階級はイナオリの方が圧倒的に上なので何も言えないヨツメ。
「……どう言う意味です?」
「僕達は遂にムソーウ王国の国王を引っ張り出したんだよ!」
ムソーウ王国の大物中の大物の名を聞いて仰天するヨツメ。
「何ぃー!?国王ぅー!」
「しかもだ、君をあんな顔にしたオラウとは違って、国王は他のムソーウ王国軍将校と同じだよ」
「お……同じ!?」
ヨツメが不都合な報告に驚き蒼褪める中、イオナリがどんどん芝居の様な動きをする。
「しかもだ!その国王様がこっちに攻めて来るんだとぉー♪」
「なんだとぉー!
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