第三章
26.束の間の休息
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シアとサマルトリアが次に来るときは、本気で来るだろうね。冗談抜きで大軍で来るかもしれない」
「そうかも……しれませんね」
「あとは、『ロトの子孫たちが、復活したハーゴン教団に負けて逃げ帰った』という事実は衝撃が強すぎる。全世界でその知らせが駆け巡ることになると思うけど、それを受けて世界のどこでどういう動きが起きるのか。読み切るのは難しいと思う」
想定していないことが起きるかもしれないから、情報収集はしっかり――。
白い少女は助言をし、フォルたちを見送った。
そして祠の中に戻る前に、目の前にいる図体の大きな一人を見上げる。
なぜか一人残っているのは、年老いたアークデーモン・ヒースである。
「で、なんでアンタだけ帰らないの。また勧誘?」
若干うんざりしたように、少女は突っ込んだ。
「今回は違うぞ。ちと今のワシらに対する感想を聞きたくてのお」
「……なんか魔物たちの雰囲気が変わってきた。少し人間ぽくなってきているというか。目つきが柔らかくなってきているというか」
「ふむ。リーダーにつられてきた感じかの」
「かもね」
ヒースは穏やかに笑った。
「この地に現れた勇者を助けること――というのが、この祠に下されていた神託と聞いたぞ」
「そうだけど?」
「神託に変更がないのであれば、今、『この地に現れた勇者』とは誰を指しているのか、と考えたことはあるかのぉ?」
「それ、勧誘でしょ」
結局それか、とジト目を老アークデーモンに向けると、少女は中に戻っていった。
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