暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第201話:燃える足跡
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洋上での遺骸移送の一件を終え、S.O.N.G.は一応の任務終了と相成った。
任務が終われば、主だった戦闘要員である颯人達に出番は無くなるので日常へと戻される。
寒い冬のその日、日常に戻ったクリスは透と共に毎朝の日課であるクリスの両親の仏壇に線香を焚き手を合わせていた。リンの澄んだ音が束の間、仏壇の置かれた部屋に広がる。
「……それじゃ、ガッコに行ってきます」
「行ってきます、おじさん、おばさん」
朝の日課を終えた2人は仲良く家を出ると、途中まで手を繋いで歩き途中からそれぞれの学校へと向かう為別れた。
何時もの事とは言え透と離れ離れになるこの瞬間を、クリスは何時も名残惜しく思いつつリディアンへの道を歩いていた。冬真っただ中の通学路は寒く、防寒着に身を包んでいても沁み込んでくる寒気に溜まらずクリスは身を震わせクシャミをしてしまった。
「えっくしぶッ!……かーッ、この寒さ、プチ氷河期どころじゃないぞ……」
こんな時、透が傍にいてくれるなら暖を取る名目で甘えられるのに……何て事をぼんやり考えながら歩いていると、後ろから聞き慣れた騒がしい声が近付いてきた。
「クリスちゃーんッ!」
「おはよう、今日も寒いね」
毎度の如く一緒に行動している、響と未来のコンビである。自分は透と離れ離れになっているのに、この2人は学校でも一緒に居られている事に軽く嫉妬を覚えつつそれをおくびに出さないようにしながら応えた。
「あぁ、寒いな」
しかしクリスからの2人……と言うか響への対応は何処かドライであった。普段に比べて雑な対応に、だが当の本人は全く気にした様子もなくこれでもかと距離を詰めてきた。
「寒いよねー、でも、あったかいよねー、お似合いの手袋……」
「……ぐぬぬ……」
何時も以上にグイグイと迫ってくる響の態度に、遂に辛抱堪らなくなったのかクリスが持っていた鞄を彼女の頭に叩き付けた。
「毎朝毎朝、押しつけがましいんだよッ! バカッ!」
「――グワッ!?」
クリスからの激しいツッコミに、前のめりに倒れる響を未来が呆れた目で見ていた。
「調子に乗り過ぎ、はしゃぎ過ぎ」
「だって、さ……一緒に選んだあの手袋、クリスちゃんに喜んでもらえてるみたいだから」
そう、今クリスが付けている手袋は、つい先日のクリスの誕生日の際に響と未来から送られた物だったのだ。手の甲の部分にリボンがあしらわれたデザインの赤い手袋を、クリスは貰った翌日から毎日の様に着けて登校していた。響としてはそれが嬉しくて嬉しくて、堪らなくなりこうして矢鱈めったらと距離を詰めてしまっているのだ。
クリス自身も自分が毎朝この手袋を身に着けている事が響からの好感度を爆上げしている要因であると気付いては
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