暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第201話:燃える足跡
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感を覚えているのだろう?」
「……まぁな」
今回の一件、弦十郎が解せないと思っているのはそこだった。鎌倉からの小言自体は前からそんなに多い方では無かった。それこそ前回のパヴァリとの戦いでの事等、余程の事が無い限りは鎌倉も……訃堂も大人しいものであった。だが今回は、先史文明期の貴重なサンプルの調査権をアメリカに掠め取られた形なのだ。政治介入があったとは言え、他国に後れを取らされる結果になったにも関わらずあの護国の鬼を自称する訃堂が大人しくしている事に、彼の為人をよく知る弦十郎は違和感を感じずにはいられなかった。
「正直、今回はお叱りの一つはあると思っていたんだがな」
実はこれは弦十郎だけの懸念では無かった。通信に対応する事の多い朔也も、今回鎌倉が何も言ってこない事には首を傾げていた。
「最近は頻度が増えてましたからね」
「うむ。ここにきて嫌に静か過ぎて、何だか奥歯に物が挟まったような気持ち悪さを感じる」
険しい顔をしながら、温かいコーヒーを口に流し込む。程良い温度管理をされたコーヒーは、しかし普段よりも苦味を増しているような気になってしまった。それを見て輝彦もカップの中の紅茶を一気に流し込んだ。
すると、それを待っていたかのように颯人が発令所へと入ってきた。彼は室内を見渡すと、目的の人物を見つけ真っ直ぐそちらへと向かった。
「あぁ、居た居た。父さん、ちょいと貸してほしい指輪があるんだけど……」
「デュープなら貸さんぞ。お前にこれを貸したら何をしでかすか分かったものではない」
コピーと違い、デュープは文字通り分身を作り出す魔法だ。本人とは全く別の動きをするこの魔法を、颯人の様な者に渡せばどうなるかなど考えるまでもなかった。故に彼は今まで颯人には子の魔法だけは絶対に渡すまいと誓っていたのだ。
「違ぇよッ! そっちはいいよ、もう諦めてるよ。そうじゃなくて、ビジョンの指輪を貸してほしいんだよ」
「ビジョン? まぁ、それなら構わんが」
輝彦が懐から件の指輪を取り出し颯人に手渡した。指輪を受け取った颯人は、右手にその指輪を嵌めると即座にハンドオーサーに翳して魔法を発動した。
〈ビジョン、プリーズ〉
「何を見るつもりだ?」
突然やってきて、この魔法を求めた颯人に輝彦だけでなく弦十郎も興味を持ち映し出された景色を見た。ビジョンの魔法は使用者が望む過去・現在・未来の光景を映し出す魔法。颯人が何を見るつもりなのかが気になったのだ。
「3日後、奏と翼ちゃんが凱旋ライブやるのは知ってるだろ?」
「あぁ、その練習でここ最近は忙しそうにしていたな」
「何が気になってるんだ?」
3人が見ている先では、3日後の凱旋ライブの様子が映し出されている。開かれた小窓の様な未来の光景が映し
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