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冥王来訪 補遺集
第三部 1979年
原作キャラクター編
運命の赤い糸 前編 ヴァルター・クリューガー
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300機の最新鋭F5フリーダムファイターの他に、戦術機用の新兵器も持ち込んだ。
開発中の40ミリ水冷式機関砲や核ミサイル発射可能な新型のバズーカ砲も一般公開された。 
 東ドイツは、今回特別に、オブザーバー参加した。 
戦術機部隊と共に、カザフやウクライナの平原でBETAと熱戦を繰り広げていた第一戦車軍団の面々も参加した。
第一戦車師団は、既に1979年の年初には完全に解散したが、再度部隊編成をされ、ポーランドに派遣されることとなったのだ。

 戦術機部隊は、かつてのように第40戦術機実験中隊から、名前を変え、今は第一航空戦闘団となっていた。
 MIG21バラライカを始めとした戦術機48機とソ連製の戦闘攻撃ヘリ・ハインド4機。
その他に輸送作戦用に、旧式ではあるが、イリューシン設計局の作ったIL-14という双発のプロペラ機を6台持っていた。
 今回の軍事演習では、実勢経験のあるベテランのみで限定され、しかも男だけということになっていった。
婦人兵の多い通信兵や衛生兵まで、男と限定されたのは訳があった。
 ウクライナでのBETA戦の折に、今は戦闘団の中核を握る副長のオズヴァルト・カッツェが、同僚のツァリーツェ・ヴィークマンと、男女の過ちを起こしたためである。
 そればかりではない。
BETAとの終わりのない死山血河の日々の中で、未婚の男女が留め置かれれば、空房を守るという方が難しいという物である。
ということで、昼夜を問わず、男女の戯れが部隊の宿営地の周辺で行われた
 戦争の長期による風紀の乱れは、やがては軍そのものを崩壊させる恐れがある。
ここに至って、男女混成部隊が問題視されることとなったのだ。

 ユルゲンの妹で、美人で有名であったアイリスディーナは、この演習にはもちろん参加させてもらえなかった。
彼女の兄ユルゲンが、戦車部隊と犬猿の仲であったことだけではない。
第4自動車化狙撃兵師団麾下の第22自動車化狙撃兵連隊の歩兵将校たちが、アイリスディーナにちょっかいをかけて、第一航空戦闘団の将校団と喧嘩になったことがあったからである。
 ちょっかいをかけた相手は、党指導部の子弟で、陸士時代から札付きの生徒であった。
彼等は、相手であるアイリスディーナが、今の議長の養子で、なおかつアーベル・ブレーメの親族であることを知らなかった。
たまたま酒保(軍専用の酒場)に来ていたアイリスディーナに酒を無理強いして、酔わせた後に悪だくみをしようとしていたのだ。
 そんな事件があったせいか、彼女の周辺は非常に気をもんでいた。
ポーランド軍はおろか、NATOの諸国軍、米軍相手でどんな事件が起きるかわからない。
 そういうことで、軍の婦人兵は一人残らず国内での留守番にされ、戦争経験のあるベテランたちのみで部隊編成がされること
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