繁華街
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男性のもの。
それを判断したコウスケは即決断。
「すいません間違えました響出るぞッ!」
「コウスケさんッ!? まだちづるちゃんがいるか見てないよ?」
「アイツのことはそこまで詳しくねえが、断言する! アイツはこの店にはいねえッ!」
言うが速いが、コウスケは響を隣の階段に引き込む。逃げるようにフロアを昇り、二階のテナントの扉に手を押し当てる。
「ぜえ、はあ……なんで○○バーなんてあんだよ……」
「コウスケさんどうしたの? すごい血相だよ」
「仕方ねえだろ。お前、あんなのに触れたら完全に染まっちまいそうだからな……あ、ここもお店みてえだな」
今度は念入りにとコウスケはテナント名を確認する。だが、すでに経年劣化により薄れた店名は、内容を推測できるほどの手がかりを残していなかった。
「……うっし。いいか響、今度はオレから行くからな?」
「オッスッ!」
響に見送られながら、コウスケは店の門戸を叩く。そして。
「こんにちは」
「いらっしゃい?」
「すいません間違えました」
バタン。
「……」
頭を抱えるコウスケ。改めて少しだけドアを開けて中を覗いてみると。
「いらっしゃい可愛い坊や」
バタン。
「……よし、この建物に一之瀬はいねえ。次行こうぜ」
「まだ上にいっぱいお店あるよ?」
「るせえッ! ゲ〇〇―に熟○○―が立て続けに入っている建物に大学生がバイトしてるわけねえ!」
コウスケは宣言して、響の腕を引っ張って建物から出ていく。スタスタと素早い歩調で、繁華街の通りに出たコウスケは、膝を抑えながら息を吐く。
他の建物もほとんど似たようなお店しか入っていないのではないか。そんな予感を感じながら、コウスケは次の建物を目指す。
「……オレもうすうす感づいていたぜ。ここ、繁華街っつうより、所謂夜の街じゃねえか……!」
「まだ夕方だよ?」
「そういう意味じゃねえよッ!」
ツッコミを入れながら、コウスケは大股で繁華街を進んでいく。
すれ違う人たちを忘れずにチェックするものの、最も若くても大学生の範疇とは思えない年齢の人物ばかり。
やがて通りを過ぎたコウスケは、大きく息を吐いた。
「ったく、この通りじゃねえ……つうか、繁華街ってもしやどこもかしこも夜のお店だらけなんじゃ……?」
「夜のお店って何?」
「響、お前は永遠に知らなくてもいいことだ」
コウスケは響に釘を刺し、隣の通りへ目を向ける。
こちらも同じく大学生よりも上の年齢層でごった返しており、期待していいものか悩ましい。
「……あの中に一之瀬がいんのかねえ……」
「コウスケさん、そんなにあの繁華街が嫌なら他のところを探さない?」
響の提案に、コウスケ
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