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俺様勇者と武闘家日記
第3部
サマンオサ
7年後の真実
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病気でなくなったのではない、ルークの言うとおり、呪いを受けて亡くなったのだ。
「そうか……。カザーブにいられたのはほんのわずかな時間だったけど、フェリオのお陰でミオに出会うことができた。もしもう一度会うことがあれば、お礼を言いたかったけど……、残念だな」
「きっと師匠のことだから、空の向こうで私たちのことを見守ってくれてるよ」
 そう言って私は空を仰ぐ。コスモス畑で私が一人前になるのを見届けてくれた師匠のことだから、きっと今も心配して空から私たちを見ているかもしれない。
「ねえ、せっかく広い場所に来たんだから、久しぶりに組手でもしない?」
「いいね、やろう!」
 ルークはすぐに承諾すると、私と向かい合わせで構える。どちらかが言うまでもなく、まずは私が先制して正拳突きを放つ。本気ではないが昔に比べたら格段にレベルは上がっている私の攻撃を、ルークは余裕の表情で難なくかわす。そしてすぐに彼も正拳突きを返した。まるで心を読んでいるかと思うくらい息がぴったりだ。そしていつの間にか私たちは、お互い真剣に攻防を繰り広げていた。
 そして繰り返すこと十数分。少し息があがってきたところで、休憩をとることにした。
「はあ、はあ。ルークってば、昔より随分上達したね」
「これでも、毎日仕事終わりにトレーニングを続けてるからね」
「えっ、そうなの!?」
 意外な言葉に、私は驚いた顔で聞き返した。
「今の仕事が、町の地下通路に蔓延っている魔物の駆除作業なんだ。せっかくフェリオに武術を教わったから、こういうときに発揮しないとって思ってさ」
「へえ、すごいね。魔物の駆除なんて……、って、ちょっと待って。町の地下通路に何がいるって?」
「魔物だよ。小さいけれど凶暴で、放っておくと人を襲う可能性があるんだ」
 普通、人の住む町には魔物避けの聖水やそれ相応の道具を使って町の中に魔物が入り込めないような対策を施しているはずだけれど、この町には魔物避けどころかすでに町の中に魔物が入り込んでいると言うのだろうか。
「ルーク。町の地下に魔物がいるって、それ本当なの? 町の中がそんな状態なのに、この国の王様は何もしてくれないの?」
 私は驚いてルークに問いただすが、彼はそれがさも当たり前のように平然と頷く。
「そうだよ。僕が子供の頃からこの国は、魔物ですらほったらかしなんだ」
 それはすでに、諦めを通り越してそれを当然のように受け入れている様子だった。
 そしてルークは、辺りをキョロキョロと見渡しながら声を落とした。
「それだけじゃない。町の物価や税金も毎年数倍に上がってる。それに、外で王様の悪口なんか言おうものなら、問答無用で牢屋行きか処刑されるんだ。今の王様に期待するだけ無駄なんだよ」
「処刑!?」
 ルークの家に行く前に見たお葬式も、旦那さんが王様の悪口
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