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俺様勇者と武闘家日記
第3部
サマンオサ
7年後の真実
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い目をしながらしみじみと呟くルークに、私はどこか切なさを感じていた。もうあの頃には戻れない。でも、このひとときだけでも懐かしさに浸っていたかった。
 公園に着いた私たちは、近くにあるベンチに腰を下ろし、話の続きをした。
「覚えてる? ミオがしょっちゅう修行を抜け出して、そこに僕を連れてきたこと」
「覚えてるよ。だってルーク、いつも師匠に怒られて泣きそうな顔になってたじゃない」
「それって、僕を元気づけるためにしてくれたの?」
「え? あ、うん。そうだったかなー……」
 本当のところは、ルークを励ますつもりが半分、自分が修行をサボりたいのが半分だったのだが、曖昧に返事をしておく。
「ミオ。顔に出てるよ。『本当はサボりたかった』って」
「うっ!? そ、そうとも言えるかな……」
 ダメだ、こんな簡単にばれてしまうなんて、そんなに私は顔に出やすいのだろうか?
「でも少なくとも僕は、君のお陰で随分救われたよ。あのときはありがとう」
 けれどルークは笑い飛ばすこともせず、真面目な顔で私にお礼を言った。
「そ、そう? それならよかった」
 真剣な眼差しを向けるルークに対し、恥ずかしくなった私は苦笑いでごまかした。
「そういえば、ルークは師匠がサイモンさんの仲間って知ってたの?」
「まあそりゃあ……、たまに父さんが家に連れてきてたし……」
「私全然知らなかったんだけど!?」
「フェリオに口止めされてたからね。僕以外の人間には父さんの仲間だってことは言うなって。それに、この国はサイモンの関係者ってだけで差別されるから、あのときは僕もそれがいいと思ったんだ」
「……どういうこと?」
 ルークは、この国でのサイモンさんの立場を端的に説明してくれた。一言で言えば、『裏切り者』扱いだという。
「魔王を討伐すると決意した父さんは、旅立つ前は全国民に祝福され、勇者として皆の期待を一身に背負った。だけど結局魔王を倒せず帰って来た途端、国の恥さらしだと罵られ、国民から蔑まれたんだ。もちろん身内である僕や母さんも、例外じゃなかった」
「……」
 そう話すルークの口調は、不自然なくらい淡々としていた。
「……母さんは優しいから何も言わなかったけど、人一倍悪意に弱かった。いわれのない中傷を受け続けて、明るかった母さんは次第に僕にきつく当たるようになった」
「そんな……ひどい……」
「それでも、僕を懸命に育てようとしていることは伝わっていたよ。だから時々自分から僕を遠ざけて、酷い行いをしないように僕を守っていた。幼い僕はそれが母さんの優しさだってことに気づかず、嫌っていた時期もあった。ずっとそんな環境だったからか、次第に僕と母さんの距離は遠くなっていったんだ」
 ルークとコゼットさん、二人がお互い優しいからこそ、自分自身を傷つけあっている。だけどそ
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