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八条学園騒動記
第七百五十話 練習中にまた話をしてその七

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「やはりだ」
「重要か」
「歩かずに」
 そうせずにというのだ。
「自動車等で移動するとどうだ」
「その分身体を動かさないな」
 フランツもそれはと答えた。
「確かに」
「そうだな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「何かとだ」
「変わるな」
「そうだ、だからな」
「そうしたこともか」
「影響してな」
「一九二〇年代と一九三〇年代ではか」
「それぞれの生まれがな、一九二〇年代生まれの人が指導者になり」
 これは一九一〇年代の人も当てはまった、日本も同じである。
「一九三〇年代生まれの人を自分達の現役時代の感じで起用してだ」
「連日連投か」
「エースはな、そうしてだ」
 タムタムはさらに話した。
「選手生活が短かった人も多かった」
「そうなんだな」
「鉄腕と言われた日本の凄いピッチャーもな」 
 稲尾和久である、球速は然程ではなかったが球威があり高速スライダーを見せ球としてシュートで相手バッターを倒す投球術で勝ち進んだ。
「実はな」
「現役時代は短かったか」
「そうだった」
「そうなんだな」
「十年あったかなかったか」
「今から見ると本当に短いな」
「その間にかなりのことをやり遂げた」
 稲尾にしてもそうだったし彼のライバルだった杉浦忠でもそうだった、二人共その記録はこの時代でも讃えられている。
「だがな」
「現役時代は短かったか」
「同じ野球が出来なかった」
 一九二〇年代生まれの人達と同じ様なというのだ。
「とでもな」
「そうだったのか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「以後今に至るまで先発で連投はない」
「中継ぎ抑えでもそうはないな」
 フランツは短いイニングを投げる場合も話した。
「今は」
「身体は消耗する」
 タムタムはこの事実を指摘した。
「だからだ」
「それでだな」
「どうしても酷使は出来ない」
「酷使したら潰れるな」
「だが当時は酷使とは思われなかった」
 当然と考えられていたのだ。
「そうした時代だった」
「そうなのか」
「そうだ、サチェル=ペイジは当時でも別格だった」
「身体の頑丈さはか」
「そうだった、だがそのサチェル=ペイジでもな」
 彼でもというのだ。
「やはり二〇〇〇勝はな」
「していないか」
「どうやらな」
「流石にそれは無理だったか」
「そうだった様だ」
 こう話すのだった。
「年齢と共に衰えもしたしな」
「そこは人間か」
「当時還暦近くまで投げたことは驚くべきことだが」
 そうであるがというのだ。
「しかしな」
「衰えはしたか」
「そうだった」
 こうフランツに話した。
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